Articles Archive for 17 11 月 2008
ビートルズ »
ビートルズは20世紀最大の奇跡である。
1962年にイギリスの地方都市、リバプールから突如現れ、激動の60年代を席巻した。
音楽のみならず、ファッション、ライフスタイル、ビジネスモデル、政治等あらゆる面で、世界中の若者に影響を与え、革命を起した。
ビートルズが残したロック、提起した諸問題は、21世紀の現在でもけっして色あせてはいない。 だからこそ、今(2008年)、もう一度、ビートルズをレビューしてみようと思ったのだ。
でも、時に、極めて主観的-個人的な内容になってしまったことはお許しいただきたい。ちなみに、僕自身は、ちょうどLet It Beがヒットしていた頃、小学6年生だった。ビートルズにかすった世代である。
今後、アップしていくレビューの各曲名の下の★は、現時点での私のオススメ度だ。 ビートルズの曲の不思議さは、昨日、★1つだと思ったものが、次の日に★5つに感じられるという事だ。だから、あくまで一つの参考としていただければと思う。
ビートルズバージンの方には、今後、思う存分、”天才”に触れるという至高の体験を味わってほしい。
また、すでにビートルズを経験されている方々には、再度、ビートルズの事を思い出していただければ幸いだ。
ビートルズはいつでもそばにいるのだから。
レビュー
書評
評論
ビートルズを利用して己の思想を語る輩、困ったものだ
ビートルズ国民投票の結果を受けて一言言いたくなった
09.09.09、ビートルズという名の狂気に触れて欲しい
朝の通勤時間に聴く「ホワイトアルバム」の意味とは何?
まさむねが勝手に再編成した「Let It Be」とは?
若い世代がビートルズをどう感じているのかを知りたい
リマスターCD発売時に再確認させられる自分のオタク性
ビートルズは常に我々に謎を投げかけてくる存在である
ジョンのビートルズ時代の歌詞に見る女性観の変遷
『A Day In The Life』~現代社会にぽっかり開いた穴~
ジョージの未発表歌詞は1967年物だからこそ興味津々
村上春樹とビートルズの「ノルウェイの森」における共通点
w-inds.の龍一とジョンレノンが似ている件
「Dizzy Mizz Lizzy」 ジョン=レノンの孤独の叫びを聴け
「REVOLUTION9」をどう聴くか?それが問題だ!
「REVOLVER」は今でも可能性の中心である
ビートルズの本質を表す「ラバーソウル」というタイトル
兄貴分・ポールに対する弟・ジョージの複雑な反抗心
ビートルズにおける猥歌合戦 ~ポールVSジョン~
ジョンレノンは労働者階級の歌が作れなかった
暴力的なジョンだからこそ、愛と平和を語ったのだ
愛こそはすべての 2面性
20世紀の奇跡、ビートルズ!
リンク
BEATLES ビートルズ ‘69 ☆Abbey Road 40周年☆
ビートルズ・・・いつも心にビートルズ
A Day In The Life ~ 懐かしき1曲
BEATLESを歌おう♪ Yeah Yeah Yeah!
レビューの館/ビートルズ
ビートルズについてのWEBサイト:ビートルズの奇跡的軌跡
A SONG IN THE LIFE ビートルズ1日1曲
B.Songrist
In My Life with the beatles - livedoor Blog(ブログ)
晴れ、ときどきBeatles
ALL THOSE YEARS AGO ~ 過ぎ去りし日々
YOUR BEATLES
お気楽雑記帳
まさむね
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PLEASE PLEASE ME
TOCP-51111
1963年3月22日発売(英)
●1963年2月11日、16時間の間にここに収録された14曲のうち、10曲録音された。
●マーチンは最初「オフ・ザ・ビートルズ・トラック」という名前を用意してた。
●全英チャート29週間連続トップを記録。このアルバムをトップの座から引きずり下ろしたのは「With the Beatles」だった。
●ジャケ写が撮影されたEMIビルは現在では無くなったが、この手すりだけは新社屋に移転されたという。
クォリーメンが結成されたのが1956年4年、このアルバムが発売されたのが1963年3月その間、約、7年間。 ジョン・レノンがデビューするのに、それだけかかっている。 あのビートルズのその後の成功を考えるとなんとも長い下積み期間だ。
この間、ジョンはポール、ジョージと出会い、ハンブルグに行って修行し、いろいろあって、やっとオーディションにひっかかりデビューとなったわけだ。 この間、後にビートルズとして成功するためのいろんな仕込み(自己投資)をしてるんだよね。演奏はどんどん上手くなっていっただろうし、斬新な髪型を始めとするファッションも編み出した。
シュールレアリズム、実存主義など流行りの思想にも触れただろうし、様々な女性たちと恋を重ねただろう。そして、何よりもメンバーの結束が鉄のように固くなった。この7年間は、それらために必要な期間だったのかもしれない。
今、日本のバンドでデビュー前にそれだけの時間、待ち続けるケースはどれだけあるんだろうか。 よくわからないが大抵は、デビューを待てず、夢破れ、普通の仕事に就ついちゃうんだろう。 若い頃の7年間ってのは圧倒的に長い時間だからね。
でも、彼らは待った。っていうか他の生き方なんて考えられなかったのかもしれない。
その期間にたまったエネルギー、これがビートルズ爆発の原動力になったことは確かだ。
このアルバムの聞き所はこのエネルギーそのものだ。
I Saw Her Standing There
★★★★☆
◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1963/2/11
●1975年のエルトンジョンのコンサートに飛び入り参加したジョンがこの曲を歌うが、その時「昔、僕を捨てた婚約者のポールの曲」という風に紹介したという。
もともと、ポールが、
She was just seventeen, she’d never been a beauty queen.
彼女は17歳、美人コンテストで優勝はしていないけどね
って書いたのをジョンが、
She was just seventeen, you know what I mean?
彼女は17歳、どういう意味かってわかるだろ?
というアイディアを出してそれに決まったと言われている。確か、17歳っていうのは、イギリスでは親の承諾無く結婚できる年齢ってことじゃなかったっけ?
年長者のジョン、さすがに歌詞のテクニックでは、この頃のポールよりも一枚上だよね。
この曲がシングルにならなかった事が不思議。いい曲だ。
Misery
★★☆☆☆
◆(Lennon=Maccartney) V=John,Paul 収録日=1963/2/11,20
●当時人気のヘレン・シャピロのために書いた曲。
でも、歌詞が暗すぎるってことで採用はされなかった。
The world is treating me bad… Misery
世の中が私につらくあたる…惨め
それにしても、なんでこんな暗い曲を当時16歳のアイドル歌手に歌わせようとしたんだろう。
そりゃ断られるぜ。でも、断ったほうは後々、後悔しただろうな。レノン=マッカートニーのクレジットだからね。
特に印象に残らない曲。すみません。
Anna [Go To Him]
★☆☆☆☆
◆(Arthur Alexander) V=John 収録日=1963/2/11
●アーサー・アレキサンダーという黒人R&Bシンガーのカヴァー曲。
そう言えば、甲斐バンドにも「アンナ」って曲あったな。 この曲のオマージュ?
ジョンのボーカルが聴き所。
Chains
★☆☆☆☆
◆(Gerry Goffin/Carole King) V=George 収録日=1963/2/11
●黒人ガール・コーラス・グループ、クッキーズのカヴァー。
ジョージの枯れた味。最初から彼の持ち味だったんだね。
Boys
★☆☆☆☆
◆(Luther Dixon/Wes Farrell) V=Ringo 収録日=1963/2/11
●黒人ガール・コーラス・グループ、シュレルズのカヴァー。
リンゴのリードボーカル。バックコーラスで他の3人が張り切っている。リンゴは幸せだ。これで、このアルバム、ポール、ジョン、ジョージ、リンゴと4人のボーカルナンバーがそろったわけですね。
リンゴファンのための曲。彼らしいボーカルが、かわいい。
Ask Me Why
★★★★☆
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1962/11/26
●Please Please Me のB面として発売。
何故か、私はこの曲が聞きたくて、でも、お金もなかったため、Please Please Me のシングル盤を購入したという思い出がある。
なぜなら、この曲をラジオで聞いて忘れられなかったからね。
その時そのラジオ番組で、Baby you’re rich man とWe ca work it outも流れたんだ。
どういった番組かも忘れたが、たまたま録音していて何度も聞いたもんだよ。
Love Me Doより名曲だと思うんだが、何故シングルA面にならなかったの?当時のマーチンの狙いがわからん。
Please Please Me
★★★★☆
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1962/11/26
●もともとスローテンポだったのをマーチンがスピードを上げるように指示。大ヒットにつながる。
●ポンキッキでもよく流れてたから、30歳代の人にも馴染みのある曲なんじゃないかな。
Beatlesは、最初から母性本能をくすぐることをコンセプトにしていた。それが、成功したんだろうな。
デビューのLove Me doも、このPlease Please Meも「お願い型命令形」の歌だからね。
そしてその後、From me to youや抱きしめたいとかのリアクションでビッグな存在になっていくんだよ。ビートルズの成功のためには、デビューから最初の2曲の、こういった低姿勢から始まったってのがポイントだったんだと思うよ。そういえば、コンサートとかで見せる彼らの、お辞儀の深さ凄いよね。そういう意味でエプスタインのプロデュース力はたいしたもんだ。だって当時、30歳前でしょ。本当、エプスタインさんも天才だよな。
ビートルズの出世作。熱気が凄い。
Love Me Do
★☆☆☆☆
◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1962/9/11
●ビートルズのデビュー曲。
中山康樹氏も言ってるが、なんでこんな曲がデビュー曲なんだって正直俺も思ってる。マーチンは本気でビートルズを売る気があったんだろうか。その後の成長のために、一度は壁をつくったのか?星一徹じゃないんだから、そんなことはないか。それでも、後に全米No.1になっちゃったんだから、当時の勢いってのは凄かったんだろうな。
デビュー曲にしては地味な曲。
P.S. I …
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WITH THE BEATLES
TOCP-51112
1963年11月22日発売(英)
●前作に引き続き、全英チャート21週連続No.1。
●イギリスでは発売6日で53万枚を売り、9月にはイギリス人による史上初のミリオンセラーアルバムになった。
●14曲の内訳は、オリジナル8曲、カヴァー6曲。
With the Beatles のジャケット写真。僕たちにとっては、Meet the Beatlesのジャケットなんだけどね。
ハーフシャドウのジャケット、顔は笑っていない。およそアイドルのジャケットではないとレコード会社は反対するが彼らはそれを押し切り、発売。勿論の大ヒットだ。
14曲中、6曲はカヴァー曲が収録された。彼らが敬愛する他ミュージシャンの曲だ。
彼らの自己主張が感じられるジャケ写と選曲。よくブラックとも形容されるアルバムだが、僕はそのあたりの影響関係の業界マップはよくわからん。
でも彼らの音楽へのこだわりはわかる。この頃既に、ユーザーが求めるものと、自分達がやりたい事とのかすかなズレが現れ始めていたのかもしれない。
前作のエネルギーの強さは本作でも持続している。
このアルバムで聞き取るべきは、そのエネルギーにプラスして彼らの音楽的こだわり(自己主張)だ。
It Won’t Be Long
★★★★★
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1963/7/30
●もともとシングル用に作られたが結局はこのアルバムのオープニングとなる。
この頃のジョンの歌はまだ詞よりも音楽が優先している。曲の勢いがいいよね。僕の大好きな曲の一つだよ。
It won’t be long yeh, till I belong to you
僕が君のものになるのはもうすぐだ。
Be long とbelongがちゃんと韻を踏んでるのが嬉しい。
long year~♪ ロンゲー♪(※長髪の意)に聞こえるのだ。僕には。
メロディといい、演奏といい、疾走感が最高の名曲。
All I’ve Got To Do
★★☆☆☆
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1963/9/11
●ジョンがスモーキー・ロビンソン風に作ったという曲。
Whenever I want you around yeh
All I gotta do Is call you on the phone
君に会いたくなったら 僕は電話するだけでいい
ビートルズの2作目アルバムのWith the Beatlesのこの曲では、電話するのは男。
でも3作目のヤアヤアヤアのAny time at all では電話してくれたら、すぐに行くよっていう風に微妙に立場が入れ替わる。これは何を意味するのか。
あるいは何も意味しないのか。
なにげに秀作。
All My Loving
★★★★★
◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1963/7/30
●後日、ジョンが自分が作らなかったことを悔やんだという。ジョンの3連符のギターも人気が高い 。
高校の頃、この曲をバンドでやったな。M君のギターが上手かったな。今でも懐かしい思い出だよ。
もともとメロディがいいから、楽しいんだよね。シングルで発売されていたらもっと人気が出ただろうな。
癖の無い素直なメロディはこれぞやっぱり天才の仕事ってことなんだろうな。
歌詞もストレートで自信に満ち溢れたポールらしいもの。
非の打ち所の無い名曲だ。
Don’t Bother Me
★★★☆☆
◆(George) V=George 収録日=1963/9/12
●ジョージの初作。
あんまり曲とは関係ないのだが、シンコーミュージックのビートルズ全詩集(改訂版)での誤植を僕は2つみつけた。
ひとつはこの曲の最初のサビの部分のBecause I know she’ll always beのBecauseがBacauseになっている。
そしてもうひとつは、Blue Jay wayの2番、very longがvery lnogとなっているのだ。
両方ともジョージの曲ではないか。編集氏の目もジョージの詩には甘いということか。あるいは読者にあんまり読まれていないため、苦情が無いということなのか。
また、恩蔵茂氏の「愛の事典」によると発売当時の音楽誌では、ドント・ブラザー・ミーっていう誤記があったらしい。そういう運命なのか。この曲は。
ジョージの落ち込みソング。演奏も重い感じがする。気のせいだろうか。
Little Child
★★☆☆☆
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1963/9/12,10/3
●もともとリンゴのために書かれた。
僕はこの曲で、littleの発音がリトルじゃなくて、リルだってことを知ったんだよな。もこのlittle Child って邦訳したら、”ちびっこ”?
ジョンがリードボーカルとハーモニカを担当している。いい声だな。ジョン。
Till There Was You
★★★☆☆
◆(Meredith Willson) V=Paul 収録日=1963/7/30
●ミュージカルのスタンダードのカヴァー曲。
僕は実は、ずっとこの曲はポールのオリジナルだと思っていたのだよ。
いい曲だよね。
Please Mr. Postman
★★☆☆☆
◆(Dobbins etc) V=John 収録日=1963/7/30
●マーヴェレッツのデビューヒット曲。
カーペンターズも後にカヴァー。ヒットさせたよね。From my girlfriendのところをFrom my boyfriendって歌ってたな。
今の感じからすると、「郵便屋さん止まって」というのは時代錯誤か。
Roll …
ビートルズ »
A HARD DAY’S NIGHT
TOCP-51113
1964年7月10日発売(英)
●A面は映画「ビートルズがやってくるヤァヤァヤァ」のサントラ+Can’t buy me love、B面はその他新曲
●全曲レノン=マッカートニーオリジナルだが、ジョン主導の曲が11曲、ポールの曲が3曲。ジョンのソロアルバムの印象が強い。
●全英、全米ともにナンバー1を獲得。
全世界をビートルズ旋風が吹き荒れる中で発売された本作品。
この作品をジョンの音楽的ピークと捉える評論家も多い。よくみるとそんなジョンの作品も2つの系統にわけることが出来る。A Hard Day’s Night、恋する二人、家に帰れば等、仕事で疲れたけど、家に帰って安らごうという“幸せの恋“を歌った曲。
そしてもう一つは、If I fell、Tell me why、僕が泣く、You can’t do thatの流れ。情けなくときに暴力的なジョンのもう一つの面を示す曲だ。
ジョンの中で何かが変わってきた。欲しいものを手に入れたけど、満たされない自分、その心の叫びがこのアルバムで聞くことが出来る。
また、ジョンから周回遅れのポールの音楽的成長がAnd I love herと今日の誓いなどで見られる。
しかし、一つ聴き所は何かといわれれば、ジョンの音楽的絶頂と内面の確執、この微妙なズレだと思われる。
A Hard Day’s Night ★★★★★
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1964/4/16
●邦題「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ」の名付親は当時ユナイト映画宣伝部水野晴男氏というのが定説。
●タイトルはリンゴが文法を間違えてつぶやいた一言(いわゆるリンゴ語)から。
●トヨタ・ラクティスのCMにカヴァーバージョンが使用される。
ビートルズが一番ノッていた時代の代表曲。オープニングのジャ~ン♪が特に有名だが、どのように弾いているのかはいまだ定説がない。
少年時代にこのコードを一生懸命練習したゲイリー・ムーアがのちにジョージに会ったとき、ジョージが弾いて見せたコードに対して「それは違う」と指摘したという話もある(「愛の事典」より)
家に帰ったら君が待ってるパターンは、この曲の他、When I get home、Wait(ラバーソウル収録)と続く。人呼んで「帰宅三部作」だ。ただ、この三曲、微妙に進化が見られるところが面白い。
When I’m home feeling you holding me tight(A Hard Day’s Night)
家に帰ったら、いつでも君が抱きしめてくれる
I got a whole lot of things to tell her, When I get home(When I get home)
家に帰ったら、彼女に話すことが山ほどある
Wait till I come back to your side We’ll forget the tears we’ve cried(Wait)
もうすぐ帰るから待っててくれ 涙を流したことは忘れてしまおう
時間がたつと男と女の関係も成熟してくるということか。それにしてもA Hard Day’s Nightの時代がいいよな。
楽曲的には、この曲の疾走感がたまらない。ジョンとポールのボーカルが入れ替わるところなんか最高。
ジョージがこのスピードじゃあリードギターを弾けないってんで、もっと遅い速さで録音して回転数をあげて再生した、なんていう微妙に情けない話も伝わっている。 でもシェアスタジアムでのコンサートでは弾けてたね、ジョージ。
オープニングのジャーンからエンディングのフェードアウトまで、全て完璧。
I Should Have Known Better ★★★☆☆
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1964/2/26
●邦題は「恋する二人」 。
Should have + 過去完了形 ってやったな「~すべきだったけど、しなくて残念!」ってヤツだよな。 「ドラゴン桜」って漫画でエアロビやらせながらビートルズを暗記させる英語の先生がいたが、この歌なんかいいな。毒が無くて。
間違ってもCome togetherやHappiness is a warm gun は勉強にならんからやめとけ。あと、時間の無駄だから、Revolution 9とかFlyingとかもNGね。
ジョンにはめずらしく、屈託の無いラブソング。
If I Fell …
書評, 社会問題, TV番組 マスメディア »
日本社会も同じように、多数のホーボー(放浪生活者)を生産し始めている。
しかし、日本の即物的な風景の中では、地元から疎外されてホーボー化した若者たちには、悲しいほどに何のロマンもない。
ただひたすら即物的に、無機質な光景の中を工場から工場へと移転し続けているだけだ。
-「ブログ論壇の誕生 (文春新書 (657))」佐々木俊尚 P171-
現代社会には、明らかに新しい格差を生まれている。
それはマスコミが喧伝する、大雑把な地域格差ではない。
地方においても、地元に根付いた層(いわゆる「隣の晩御飯」が来てくれる層)、学生時代の仲間と地元で群れる層(いわゆる「木更津キャッツアイ」層)、そして、ここで言われているようなホーボー層がある。
そして、新しい格差とは、このホーボー層格差なのである。
しかし、問題なのは、これらの人々に対して政治やマスコミの言葉が全く届いていないことだ。
極端に言えば、代表的な存在として秋葉原連続通り魔事件の加藤智大や、秋田連続児童殺害事件の畠山鈴香が上げられるのだが、彼らの内面の言葉をマスコミは発信したのだろうか。
そして、さらに、現代社会には、別の格差があることを著者は指摘する。
一方で、団塊の世代の人たちは、インターネットのことをほとんど知らないし、掲示板やブログでどのような言論が展開されているのかも把握していない。
マスメディアが体現する団塊世代の言論空間と、ネットで勃興しているロストジェネレーションの言論空間の間には、深くて暗い河が流れているのだ。
-「ブログ論壇の誕生 (文春新書 (657))」佐々木俊尚 P171-
この深くて暗い河に関しては、団塊世代(その代表であるマスメディア)は決して、報道しようとしない。報道したとしても、例えば、みのもんたや、やしきたかじんのように若者への苦言レベルで話をまとめようとするのがいいところだ。
先週の「水曜ノンフィクション」でもそうだったが、マスコミのネットに対するイメージといえば、”闇”の世界なのだ。
いまだに、マスメディアはネットを敵対視している。自分達の既得権益を脅かす存在だからだ。
今後、このネットとマスメディアとの対立はどのように解消、あるいは発展していくのかはわからないが、現在の構造が続く限り、ネットの住人にとって、「ブログ論壇」は意味を持ち続けることであろう。
それは、ブロガーは、少なくとも、”関係者”とか”情報通”とか”周辺からの声”とかの曖昧な存在の言う事によって、その論を組み立てるような事はしないからだし、ソースをきっちりと提示し、わからないことはそれとして正直に表明し、間違ったら謝るといった基本的な倫理を守っているからだ。
この著作における、毎日変態新聞事件等の最新のネット上の”事件”も網羅しながら、「ブログ論壇」の意義を明らかにしようとする著者の勇気ある姿勢は素晴らしい。
起こったばかりの事件、新しく現れてくる現象を新しい言葉で扱うっていうのはいろんなリスクがあるからね。
まさむね
ビートルズ »
BEATLES FOR SALE
TOCP-51114
1964年12月4日発売(英)
●1964年のクリスマスセールに間に合わせるため、作られたアルバム
●14曲の内訳は、オリジナル8曲、カヴァー6曲
●全アルバムの中で最もアーシーな色彩を帯びた異色作(ザ・ビートルズ大全)
ジャケットを見るといかにも不機嫌な4人がこちらを向いて立っている。
疲れたというべきか、やつれたとでも言うべきか。そんな4人が立っている。
疲れてくると段々手抜きとか惰性とかが見られてくるのが普通だ。しかし、このアルバムには、それどころか、新しい楽器(ティンパニー、アフリカンドラム等)への挑戦、新しい詩の境地が見られる。
人気の絶頂にありながら、No Replyではストーカーのような姿をさらし、I am a loserでは負け犬と自分を断じる。その内面の絶望は普通だったら、ユーザーのニーズからかけ離れたものだと思うんだが、この作品も売れに売れてしまう。
ジョンの音楽的絶頂は続いているのだ。
No Replay
★★★★☆
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1964/9/30
●もともとトミー・クイックリーのために書いた曲。
ジョンが始めて書いた物語風の歌詞。でもポールのそれとは違って、(I nearly died)死ぬほどつら~いっていう暗い歌詞。別の男と手をつないで家に帰ってきたのを目撃、その娘の部屋に明かりが点いている。ところが、電話をしても「娘はおらん」と言われたジョン青年。絶望的になってもしかたがない場面ではある。
今の時代ならストーカーと言われるかもしれないが、似たようなシチュエーションは文学の世界にはあるよね。古事記から、源氏物語から、田山花袋の「蒲団」、川端康成の「みずうみ」とかもそうだし、映画で言えば、『卒業』『ヴェニスに死す』『ニューシネママラダイス』とかもそうだし。
ちなみに、フィンランドに住むフィン族では、夜這いすると娘のお父さんが出てきて、その人と戦って勝つと娘がもらえるっていう習俗があるらしいよ。さすがに最近ではその習俗も儀式的なものになっているみたいだけどね。
でもこの曲はそれ以前の問題だったな。返事すらない(No reply)んだもんな。わかるよ、ジョン。
ジョンのリアルで切ないラブソング。
I’m A Loser
★★★★☆
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1964/8/14
●ジョン自身ディランの影響を受けたという公言する曲。
ジョン自身、「僕のディラン時代の曲だ。僕の中のある部分は自分を負け犬だと思っていて、別の部分では全能の神だと思っている。」との述べている。でもさ、ビートルズとして人気絶頂でさ、お金も名声もなんでも手中に収めたジョンが歌うっていう落差が凄いよね。ジョンよ、お前が負け犬だったら、僕はどうなっちゃうんだ。なんか共感できるようなできないような曲。No Replyは結構共感できるんだけどね。
歌詞では次のところが好きだな。
Although I laugh and I act like a clown
Beneath this mask I am wearing a frown
My tears are falling like rain from the skyピエロみたいにはしゃいでいても
この仮面の下には不機嫌な顔が潜んでいる
雨のようにとめどなくこぼれる涙
この曲を聞いたあとで、ヤァヤァヤァとか四人はアイドルとか見ると、とっても痛いよね。
さて、この部分の
My tears are falling like rain from the skyですが、普通だったら、上記の訳なんだろうけど、僕は敢えて、「空から雨のようにこぼれる僕の涙」と訳したい。なんだか空いっぱいにある巨大目、ダリの絵のような風景を想像しちゃいます。
ジョンのハーモニカによるソロもいいし、ポールのランニングベースもいかしている、でも実は暗い詞の曲だ。
Baby’s In Black
★★★★☆
◆(Lennon=Maccartney) V=John,Paul 収録日=1964/8/11
●ジョンとポールが最初から最後まで二人で歌うのはこの曲だけ。
Baby’s in black and I’m feeling blueあの娘の黒い服が僕をブルーにさせる(内田久美子訳)
日本のロマンポルノとかも、喪服の女にそそられてみたいなのあるけど、こういう劣情って洋の東西を問わないんだよね。弔問客には気をつけろ(あるいは、弔問客に期待しろ)っていうことか。でも色を使うと詩はロマンチックになるよね。宇多田ひかるの「colors」もなんだか似たような歌詞あったよね。
さて、色で気分を表すっていえばYes it isにもこんなフレーズがあった。
For red is the color that will make me blue赤い服が僕をブルーにさせる
おい、文法的にはこっちの方がわかりやすいよね。赤でも黒でもブルーになるのは変わんないんだけどね。
ちなみに、東京公演の時、ポールが4分の3拍子(?)にあわせてヘフナーをブルンブルン揺すって弾いていたのが印象的だったよね。
ビートルズでは珍しいワルツロック。
Rock And Roll Music
★★★☆☆
◆(Chuck Berry) V=John 収録日=1964/10/18
●日本ではシングルカットされ大ヒット。
●チャックベリーの1957年の曲のカヴァー。
日本武道館での東京公演でジョンが一発目に弾いた曲。僕はその昔、記録映画とかでみて、最近、アンソロジーDVDで見た。
結構つらい演奏(アンソロジーでも演奏がひどくなってきたっていう流れの中で東京公演の映像が使われてたけどね)だ。レコードのこのバージョンにしたって、たしかに、Twist & …
ビートルズ »
HELP!
TOCP-51115
1965年8月6日発売(英)
●A面は映画「Help!4人はアイドル」のサントラ
●B面は当時の新曲(カヴァー曲は2曲)
●本作は「A hard day’s Night」で個性的なロックンロール自作自演者集団としての完成形に到達したビートルズに、新たな芸術性と作品性が芽生えた事を感じさせる。(ザ・ビートルズ大全)
典型的なアイドル映画の「Help!4人はアイドル」。ある意味、「ビートルズという名の産業」はメンバー4人を容赦なく消費しようとする。勿論、ファンも同様だ。彼は表面的にはその需要に従って、スイスに行ったり、バハマに行ったり、演技したり演奏したり、溌剌はところを見せてくれる。
しかし、どう見てもビートルズは真っ白なゲレンデも青い海も似合わない。彼らが本当にやりたかったこととのズレは明らかだった。タイトル曲Helpはジョンの内面の叫びの究極の形だし、ポールの作ったYesterdayは次の時代のビートルズの可能性を内包していた。
最後のDizzy Miss Lizzyのむなしいジョンの叫びとよくトチるジョージのギター。そんな時代をある意味最も象徴する1曲。この空虚さは、ビートルズはもうすでに、このステージにはいないことを示していた。
Help!
★★★★★
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1965/4/13●映画「Help! 4人がアイドル」の主題歌。●『なんでも鑑定団』のオープニング曲。
ジョンが自分の心情をストレートに吐露した曲。アイドルとしての自分から逃れたかったんだろうな。ジョンは。でもこの曲が「4人はアイドル」の主題歌っていうのは全くの皮肉だよね。映画自体は、リンゴの指にはめられたルビーの指輪をめぐるドタバタ喜劇。その主題歌がじつは、こんなに切実だったなんてこと、当時は誰も気にもしなかったって事が不思議だよね。
でも、ビートルズっていう飛ぶ鳥を落とす勢いのグループのリーダーの内面がこんなだったってことがビートルズをめぐる神話の始まりを予感させる。ただのアイドルグループじゃなかったってことさ。
注目は次の1行
My independence seems to vanish in the haze.
あの頃の独立心はどこかへ消えちゃった
これは、多くのことが自分自身では決められない状況になってきたって事でしょ。忘れがちなんだけど、ジョンはクォリーメンを結成してから、デビューするまで、7年位かかってるんだよね。恐らくその下積み時代、どうすれば成功するのかって考えて、いろいろ自分で考え、行動し、失敗し、またやってみての繰り返しだったんだろうな。その時代は、独立心こそポリシーだったはずだ。
でも、ビートルズとしてデビューし、その役割を演じるようになる。そして段々、疲れてくる。このころのジョンには相当ジレンマがあったんだろうな。
初期ジョンの最高傑作。この疾走感がたまらない。
The Night Before
★★★☆☆
◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1965/2/17●映画では原っぱでの演奏シーンに流れる。
ポールの軽快なロックナンバー。映画では、実物の陸軍第3師団の砲兵、機関砲兵、騎馬砲兵隊なんかが現れて最後は、大爆発する。その時のこの曲って全く意味は無い。
この頃のポールの標準的な曲かな。
You’ve Got To Hide Your Love Away
★★★★☆
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1965/2/18●映画では、部屋の中でのシーン。フルート奏者はビートルズ始めての外注ミュージシャン。●邦題は「悲しみはぶっとばせ」 。
ジョン自身、ディランの影響を受けたというのがこの曲。注目は次のフレーズ。
Everywhere people stare each and every day
I can see them laugh at me毎日どこへ行っても みんながじろじろと見る
僕をからかいながら
ジョンは見られることを商売にしていながら、逆に見られることを物凄く嫌がるよね。そして笑われることに異常に繊細になる。
この歌のこの部分もそうだし、他には、こんなケースもある。
1)You can’t do thatYou talking that way They’d laugh in my faceほかの男といちゃついていたら俺が笑いものになるんだぜ 2)I’ll cry insteadDon’t want to cry when there’s people there,
I get shy when they start to stare人前では涙を見せたくない じろじろと見られたら決まりが悪いからね …
書評 »
品格とは、もともとある特定の人々に備わったものとしてみられてきました。
つまりだれでもが品格をもつということはありえないのです。
一生懸命がんばってつくりあげるものではありません。
-「検索バカ (朝日新書 140)」藤原智美 P131-
「国家の品格」藤原正彦、「女性の品格」坂東眞理子等のいわゆる品格本の胡散臭さをバッサリ。
ワイドショーのニュースなどで、日本はダメだ、ダメだって繰り返すもんだから、なんだか自分も不安になってきて、日本に関して考えてみようと思い立ち、本屋で思わずこの本を手にしてレジに向かってしまう。
この日本の伝統意識とは全く無縁な、焦りの集積の結果がこのベストセラーならこの国はどうなってしまうのだろうと、さらに不安にさせる効果が、確かに「国家の品格」にはあった。
あるいは、普段、本など買いもしない人々が、新書を読んで、小知恵をつけて、会食かなんかで披露すれば、さらに無知な人々から「あの人、品格あるわね」って賞賛される事を夢見て、本屋で思わずこの本を手にしてレジに向かってしまう。
この浅ましさは「女性の品格」とは最も遠いところにあるものではなかったのか。
さらに作者は、品格について続ける。
つまり品格とは地位、権力、財力のある者こそに求められる態度、行動の規範であり、彼らが支払うべき代償、不自由さのことです。
それはかつての世間が編み出した権力抑制のための方法でもあったのです。
-「検索バカ (朝日新書 140)」藤原智美 P133-
権力の抑制装置としての品格、これは面白い視点である。私の興味対象に引き付けて言わせてもらえば、家紋も品格と同様の機能があると気付いた。紋付を着るという事は、同時に行動の不自由(+責任)も強いるものだからだ。
こういう面白いテーマをこの本は、他にもいくつも提示してくれている。大雑把に言えば、この本は、ネットの普及と世間の解体が、それまでの人間のあり方を破壊するといういわゆる関口宏的言論に組してはいるが、文章が卓抜で、具体的な例が多く書かれているため、本書には、多くの考えるヒントが含まれているように思われる。
そして、この本の結論として、状況を打破するために、「他人と議論をし、そして、考えろ」と著者は言う。やっぱりそこにしか解決策はないのだろうか。でも、考えるってむずかしいんだよね。いつの間にか、僕なんて寝てるからね。もしかしたら、「検索バカ」って僕のこと?
まさむね
ビートルズ »
RUBBER SOUL
TOCP-51116
1965年12月3日発売(英)
●勿論、全米、全英ナンバー1アルバムに。
●Rubber Soulとは、ストーンズがアメリカの評論家からプラスティックソウル(偽の黒人音楽)と揶揄されたのを面白がって、じゃあ僕たちはラバーソウルだっていって適当につけた名前。
●ブライアン・ウィルソンがこのアルバム(米版)を聴いて驚愕し、「ペットサウンズ」の制作に至る。
僕が持っているLPの解説には、「ロックにはじめて芸術的評価を与えた問題作」、感覚のロックに知性の息吹が横溢!」!と書かれている。
この時期、ビートルズは初めて自分たちが何をしたいのかを自覚し、それを音楽から詩からジャケットにまで統一的に反映させるような力を持つことが出来るようになっていたんだね。
「ラバーソウル」のテーマは成長、そして男と女だ。今までのラブソングはストレートな心情を吐露するものが多かったが、このアルバムからはそんな自分の姿を客観的に捉え、物語として、そして哲学的に表現するような曲が増えていった。
「ラバーソウル」の曲を、無理矢理に分けるならば、初期の尻尾のようなものを感じるのが、You won’t see me、消えた恋、君はいずこに、Wait、浮気娘、If I Needed Someoneなど。次の時代を予感させるのが、Drive my car、ノルウェーの森、ひとりぼっちのあいつ、Girl、The Word、In my life、Michelle、嘘つき女かな?
また、このアルバムのタイトル名「ラバーソウル」、何気なくつけられたというこの名前だが、ちょうど、青春を象徴するスニーカー(ゴム底靴)の意味でもある。彼らが自分達で「立つ」「走る」意志を表現したと言えるのではないか。 そして、 勿論、マリファナの影響も忘れることは出来ない。
いろんな意味で大人になった彼らの新しい表現こそがこのアルバムの聴き所だ。
Drive My Car
★★★★☆
◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1965/10/13
●ジョンが最初作った歌詞をポールが気に入らず、没にしたことによって、一瞬、険悪な雰囲気になったと言われている。
●Drive my car とは、「セックスする」の隠語。
物語仕立ての詞。これは、ポールのお家芸だ。スターを夢見るちょっとアバズレな女の子。その女の子の魅力に取り付かれた情けない男、その二人の物語だ。(私は、この歌の主人公は女だと思う)
Baby you can drive my car
Yes I’m gonna be a star
Baby you can drive my car
And maybe I love you
ベイビー あたしの運転手にしてあげる。
ええ あたしはスターになるの
そしたら あんたを運転手に雇ってあげる
ついでに愛してあげてもいいわ
ようするにこの男は、アッシー君(これって死語?)ということだ。女は言う。
Working for peanuts is all very fine
But I can show you a better time
あくせく働くのも悪かないけど
もっといい暮らしをしたいと思わない?
この時のworkingの発音が面白い。カタカナで書けば通常だったら、ワーキング。ただここでは、ワルキング。この巻き舌は、リバプール訛(スカウス)。この女の子が、労働者階級の出身だって事がわかる。
And she said listen baby I got something to say
I got no car and it’s breaking my heart
But I’ve found a driver and that’s a start
ちょっと待って 断っとくけど
情けないことにあたし まだ車を持っていないの
でも まずは運転手が見つかったものね
この楽天性がこの女の子の魅力であり、この歌の魅力だ。
ちなみに、この女性がその後どうなったのか。ホワイトアルバムのHoney pieがその続きだと僕は思っている。
オープニングのギターめっちゃカッコいい。Rubber Soulの斬新性をこの音ですべて表現している。
Norwegian Wood
★★★★★
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1965/10/21
●ノルウェーの森という邦題は実は誤訳。正しく訳すとノルウェー製の家具となる。
●村上春樹の「ノルウェーの森」はこの曲のタイトルからとっている。
●ジョージがはじめてシタールを使用した曲。
Drive my carがポールの物語だとすれば、このNorwegian Woodはジョンの物語だ。
この歌に出てくる女の子はどこかミステリアスだ。部屋にはイスがないっていうのがそのことの暗喩になっている。男がどこに腰を下ろしたらいいかわからない部屋=男がどういったスタンスを取ればいいのわからない女ということだ。
(ちなみに、別解釈として、また、イスがなくてどこに座ったらいいのかわからない男=Nowere man ということもできる)
ワインを飲みながら話し込む2人。時刻は、深夜の2時。彼女は「明日、朝から仕事なの」って一人で寝てしまい、男は一人ぼっちになり、こそこそBathで寝る。そして次の日の朝、起きてみると彼女は既にいない。男は一人、火をつける。
And …
ビートルズ »
REVOLVER
TOCP-51117
1966年8月5日発売(英)
●1966年4月~6月に録音された。
●イギリスの音楽誌「Q」が2000年に音楽ライターを対象に実施した投票「史上最高のアルバム」で1位に選出される。
●タイトルの「リボルバー」は日本公演の時の警護の警察官の拳銃を見て思いついたという。
●ジャケットはハンブルグ時代の友人、クラウス・フォアマンによる。グラミー賞のジャケットデザイン賞を獲得。
●彼らが本物のアーティストになったアルバムだと思う。(Char)
ビートルズが1曲、1曲毎に珠玉のアイディアを出しまくって作ったアルバム。
このアルバムが発売されてすでに40年経った現代、これほどに独創的に、そしてこれほどまでに考えて、音作りをすることはあるんだろうか。
おそらく、この頃のビートルズには、自分達は何でも出来るっていう自信があったんだと思う。その、パワーが全曲にみなぎっている、そんなアルバムだ。そして、このアルバムの背景には確実にドラッグカルチャーがある。自分の意識を広げるため、みんなと連帯するため、そして世界を変革するため、この時代、ドラッグの力が信じられたんだよね。
さて、このアルバムが発売されたとき、「リボルバー」という名前の前に候補に上がっていた名前は「アブダ・カダブラ」っていうらしいんだけど、この魔法の呪文こそ、ビートルズマジックが炸裂したこのアルバムにふさわしかったのかも。ただ、「リボルバー」(Revolver)というのは回転式拳銃のことだが、単語を分解してみると、re-evolve-er(再び-進化する-人)という意味になる。初期のアイドルビートルズから、徐々にアコスティックサウンドに傾斜し、そしてさらなる進化を示したのがこのアルバムという自負の表れか。
しかし、このビートルズマジックが完璧な世界を構築したかといえばどうだろうか。僕はそうは思えない。それぞれの曲には、ザラザラとした感触が、また、曲順にも不完全感が残っている。
しかし、面白いものでRevolverの不完全さこそ、Revolverの可能性でもある。
現代、このアルバムがまだ輝き続けているとすれば、そのアルバムに潜む好奇心、意欲、自信、遊び心、そしてこの不完全性=可能性があるからに違いない。
Taxman ★★★★☆
◆(George) V=George 収録日=1966/4/21,22,5/16
●1991年の東京公演で演奏した。
●ビートルズ初の社会派ソングといわれたが、それほどの奥深さはあるか?
●タンバリンの入り方がなんとも不思議。この中途半端さは、ジョンとポールによって実験場とされてしまったジョージの曲の一例か。 (他には「嘘つき女」のファズベース、「I Want To Tell You」のフェードイン等)
この「リボルバー」にはジョージの曲は3曲も収録されている。いわゆるジョージ率がかなり高いアルバムだ。ビートルズには、ジャケットでは、そのアルバムで最も光っているメンバーの目線がこちらを向いているという法則があるが、このリボルバーでは、このジョージがまっすぐこちらを向いている(イラストではあるけど)。ちなみに、ジョン一人がこっちを向いているのが「ラバーソウル」、ポール一人がこっちを向いているが「レットイットビー」である。
楽曲的に言えば、ポールの弾くベースとディストーションのかかったリードギターがかっこいい。なんだ、かっこいいのはポールだったか。ジョージの曲なのに。 でも、曲もロックンロールとして普通に素晴らしい。後、この曲でカッコいいのは、曲の始まり。間近で聞こえるジョージのカウント、それをさえぎって、遠方で誰かの声。曲はその遠方の「フォー」というカウントに従って始まる。ノッケから意表をつく。さすがビートルズだ。
私はこの奥の声の主はリンゴだと思うが、どうでしょうか?
歌詞的に言えば、税金が高い~っていってるだけかと思ったら、やっぱりジョンが入れ知恵したパートは一味違うね。
Now my advice for those who die (Taxman)
Declare the pennies on your eyes (Taxman)
死に行く人々にご忠告いたしますが
まぶたに乗せたコインも申告もれなきように
ポールのベースのテク凄い。ギターも最高。
Eleanor Rigby ★★★★★
◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1966/4/28,29,6/6
●ポールひとりで歌。バックは管弦楽のみ。
●「Father McKenzie」 は空耳として「はざまけんじ~♪」と聞こえる。
●グラミー賞の最優秀ソロボーカルパフォーマンス賞を受賞。
エリナリグビーという孤独なおばあさんとマッケンジーという孤独な神父の話。
Father McKenzie writing the words of a sermon that no one will hear
No one comes near
マッケンジー神父は誰もきいてもらえない説教の原稿を書く
彼に近づくものはいない
最初このMcKenzieをジョンは、McCartneyにしようとしたという。当時、段々、グループの中でも横暴になりかけていたというポールに対する最大なあてつけですな。でも、ポールはそれを避け、電話帳から、このMcKenzieという名前をさがしてつけたという。ちなみに僕が15年位前にカナダに住んでいた時、家の近くにMcKenzie street っていう淋しい通りがあったな。
楽曲的には僕が好きな曲の1曲だ。1984年の主演映画「Give My Regards To Broad Street」の中でギターで引き語っていたポールはかっこよかったな。
でも、僕の印象だと、この曲はビートルズの曲の中でも孤高の位置にあると思う。他にこの曲に近いのがないんだよな。暗いリアリズムに基づいた詩の世界観、性急な感じのメロディ、とそれを引き立てる弦楽器のみのアレンジ、どれをとっても、あんまり類似曲がないでしょ。
どうしてこの時期、どういうモティーフでこんな深遠な曲を作ったんだろう、そしてどういう意図でイエローサブマリンのB面に置いたんだろう。さらに、ポールとジョン、どちらが主導で作ったのかという基本的なところでも論争があるんだよね。
それにしても不思議だ。
僕は、 ビートルズの曲の基本はファンタジーだと思っている。それは、いわゆるダーティリアリズムとは別世界だ。例えば、ビリージョエルの「ピアノマン」とかブルーススプリングスティーンの「ボーン イン ザ U.S.A」の歌詞の世界にあるような、普通の市井の庶民の生活を淡々と描くような世界とは違う。しかし、ビートルズの曲の中で、このEleanor Rigbyだけが、ダーティリアリズムの世界の曲なのだ。
この曲だけ、ファンタジーではなく、ファンタジーを持つ人々を客観的に眺めるという視線からの曲なのである。僕がこの曲を不思議だと思うのは、そういったことにも原因がある。
とてつもない名曲。 言葉になりません。
I’m Only Sleeping ★★★☆☆
◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1966/4/27,29,5/5,6
●ギターソロはテープの逆回転。
あくせく働く現代人に対する社会風刺っていうのが一般的な言い方になるんだろうけど、これもマリファナソングだろうな。
Please, don’t spoil my day, I’m miles away
And after all I’m only sleeping
僕の一日をだいなしにしないで
はるかな国をさまよう僕
とにかくこのまま眠っていたいんだ
このI’m miles awayを、どう解釈するかだと思うよ。夢の国って解釈するか、幻覚の世界って解釈するか、それはこの曲を聞いたリスナーが判断すればいい話だよね。
僕は、ジョンがこの曲で試そうとしたのは、とにかく、自分の「眠い、休みたい」っていう感覚を音楽で表現してみようってことだったんじゃないかと思う。テープの回転数を変えたり、逆回転音をギターソロに使ったり、それはあくまで、表現手法の話。ジョンの試みが成功したと捉えるか、失敗したと捉えるか、この曲の評価はそれにかかっていると思う。
「眠い」っていう状況を音楽にしたらこうなった?
Love You To ★★★☆☆
◆(George) V=George 収録日=1966/4/11,13
●ポールとジョンは不参加。リンゴはタンバリンで参加。
●シタールはジョージが弾いている(という)。
ジョージは自分の歌の題名をつける時かなり、いいかげんだったという。レノン=マッカートニーの曲はタイトルが歌詞の中にそのまま出てくるケースが多いんだけど、曲数が少ないジョージは、それにしてはそうじゃないパターンが多い。ざっと上げてみると、Love you to、For your blue、The inner light、Within you without …



