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何故、日本人横綱は出なくなってしまったのか

27 2 月 2009 No Comment

次に横綱になるのは誰だろうか。
あくまで主観ではあるが、現時点では、把瑠都、日馬富士、琴欧洲の順で可能性が高いと思う。
まずは、把瑠都。
その体力は圧倒的だ。相手にいい形になられても、強引に肩越しに上手を取るとって体勢を巻き返すというオリジナルの武器を持っているのが強い。
先場所、破れはしたが白鵬相手に「上手を取ればなんとかなる」と豪語したその力と自信は徐々に本物になりつつある。
先日、ロシア人女性との婚約を発表した。プライベートでも乗っている証拠だ。
現時点ではまだ関脇ではあるが、来場所あたり優勝も狙えるのではないかと思っている。

次は、日馬富士。
先場所は初日からつまづき、一時は勝ち越しも危ぶまれたが、結局は星を揃えて勝ち越し。
地力を見せ付けた。とにかく努力家、研究家で、常に観客の視線を気にするというプロ意識も人一倍持っている。

そして、上記二人にかなり差をつけられているがやはり素質では琴欧洲ははずせない。
ここという一番での勝負弱さが気になるが、体を活かした大きな相撲に自信が加われば、横綱の地位も向こうからやってくるだろう。それだけの素質を持っている。

それにしても、残念なのは、次の横綱候補に日本人の名前を挙げづらいことだ。
何故、日本人横綱は生れなくなってしまったのだろうか。
その昔、相撲では日本人は外国人(この場合、非モンゴロイド)に負けないという論理があった。高見山が現役の頃だ。
それは、相撲という競技は足腰の強さが何よりも大事、だから日常生活で、畳で立ったり座ったり、農作業したりする民族が、イス+牧畜文化に負けるはずはないという説だ。
また、食べ物も米、野菜中心の日本人はそれを消化するために、西洋人に比べて腸の長さが長い。だから、その分、胴が長く重心が低く相撲に有利だという説もあった。

しかし、そんな事が言われたのは、もう30年も昔の話。
あれからいろんな状況が変ってしまった。
もし、過去がそうだったとしても現在の日本人はかつての生活様式をかなり西洋風に変えてしまったのである。
日本人の生活様式の優位性という理論は既に崩れてしまったと言ってもいいと思う。

と同時に、力士の大型化という流れも日本人の不利に働いているようだ。
最近の決まり手で、突き落とし、叩きこみなどの「前落ち」系の技が増えているのをご存知だろうか。
また、それに反比例してうっちゃりや、つり出しなどが減っているという。(「「うっちゃり」はなぜ消えたのか―データが語る大相撲」 参照の事)

実はこの「前落ち」系の技は白人が得意とする技である。
かれらはその懐の深さを利用してまわしを取りにいこうとするところをタイミングよく、叩く。
日本人の力士の多くは、一度バランスを崩してしまうとなかなか立ちなおせないケースが多い。その体があまりにも大きくなりすぎてしまっているからだ。
残念なことではあるが、骨格というのは民族によってある程度決まってしまっているようである。
把瑠都や琴欧洲のような体躯は日本人ではまずあり得ない。
彼等に対抗しようと、体重を増やそうとすると、その分、どうしても動きが悪くなってしまっているようなのである。

話は変るが、先ほど、うっちゃりや、つり出しが減っているという事を述べたが、体重を増やすためには当然、腹を出さなければならない。そのがゆえに、つりやうっちゃりという、どちらかと言えばソップ型(やせ型)力士の得意技が出なくなってしまっているのだ。
勿論、山本山のようにケタ外れの大きさになれば話は別だ。
彼は、自分の腹に相手を乗せて、うまくうっちゃる技術を持っている。
先場所も何番かそういった逆転の取り組みがあったように記憶しいる。

さて、話をもどそう。
力士の体格のトレンドが日本人にとって不利な方向に働いているという事と同時に、もう一つ、日本人がなかなか横綱になれない理由がある。
それは、最近、中卒、あるいは高校卒業前に大相撲に入門する力士が激減しているということがある。
過去のデータを見ると高卒以上で横綱になった日本人は琴桜と輪島と旭富士、そして曙しかいない。

相撲にとって出世するには圧倒的に中卒(高校中退)が有利というデータが出ているのだ。
しかし、現在、多くの日本人力士は大卒、高卒の学歴を持って(しまって)いるのである。
現在、幕内日本人力士で中卒なのは、千代大海、魁皇、稀勢の里、北勝力、若の里、千代白鵬くらいしかいない。
そして、そのうち、千代大海と魁皇、若の里、北勝力はすでに30歳を超えてしまっている。残念ながらこれから横綱を狙うというのはかなり厳しい状況である。

そうなると現在25歳の千代白鵬、23歳の稀勢の里のその可能性が残されている。
そして、今までの実績、ポジション、体、素質、気力なども考慮に入れるとやはり稀勢の里が日本人横綱に一番近いと言えるのではないかと思う。
おそらく、これは衆目の一致するところである。
しかし、一方で、稀勢の里のライバルとなりそうなモンゴル勢を見てみると、白鵬、朝青龍(高校中退)、日馬富士は勿論、期待の星、鶴竜、光龍、さらに十両の保志光などはみな、中卒あるいは高校中退で大相撲に入っているのである。
おそらく、格闘技で大成するには一日でも早くその世界に身をまかせるというのが最善の方法なのであろう。
勿論、高校相撲、大学相撲も、スポーツとしての相撲をするという意味では相撲部屋に入門とはどこか決定的な違いがあるような気がする。
あれだけ、大卒の大物ルーキーが大相撲の門を叩いて、その中で横綱になれたのがあの輪島だけという事実がそれを物語っているではないか。

ハングリー精神とでもいおうか、「ここを出たらもう行くところがない」的な追い詰められた精神が必要なのが大相撲なのかもしれない。
特にモンゴル勢を見ていると、彼等の勝負に対する執念には頭が下るときがしばしばある。そんな時に、残念ではあるが、彼等は日本人よりも精神的に強いのではないかと思わざるを得ないこともあるのである。

今後、日本では少子化、高学歴化がどんどん進む気配がある。そうなるとますます中卒から大相撲入門という力士は減ってしまうのであろうか。
しかし、昨今の不況が長引けば逆に、大相撲に夢を抱くような若者が増えてくるかもしれない(という期待もある)。
とりあえず、関取になれれば、年収は一千万円は超える。そして、その後も精進すれば、親方、あるいは協会関係者として残る道も開ける。
現代においては、中学時代にそういった事を決意するというのは大変だとは思うが、そういった大志を抱くような若者がどんどん大相撲に入ってきてもらえればと、勝手ではあるが、一ファンとして願うばかりである。

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まさむね

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