「REVOLUTION 9」をどう聴くか?それが問題だ!
ホワイトアルバムに収録されている「Revoluion 9」ほど、ビートルズファンを悩ます曲はないだろう。
中山康樹氏は、「これがビートルズだ (講談社現代新書)」でこう述べている。
ガラクタ中のガラクタであり、前衛でもアートでもなんでもない。
もしこれが許せるという人間がいまもいるとしたら、それはヨーコ本人、そしてジョンの、ビートルズのほんとうの偉大さに気づいていない人間だけだ。
たんなるガラクタに曲も演奏もない。ただ意味のなさすぎる会話やサウンドがつながれているだけだ。ビートルズ史上最長の八分ニ十一秒にして最大の無駄。
まぁ、中山さんがそう言われるのであれば、おそらく僕はビートルズのほんとうの偉大さに気づいていないのだと思う。
実は、僕はこの曲をたまに無性に聴きたくなるのだ。
何故かわからないが、この曲には、心の奥に眠っている「何か」を刺激する「何か」があるにちがいない。
★
ジョンはこの曲に関して「革命を絵にしたもの」と言っているが、おそらく、彼にとって、革命とは自分の心を変えることである。つまり、いわゆるマルクス主義革命のような、暴力によって政権を奪取することではなく、個々人の心を変革すること、それが革命だと思っていたようである。
彼は、元々この曲とつながっていたという「REVOLUTION 1」でこう言っている。
change your head
君の頭を変えろ
だから、固定観念を疑え!...と。そうだっ、まずは「ビートルズの曲とはこうあるべきだ」というイメージを壊せ...と...いうことなのだろう。
おそらく、ジョンが革命というものに向き合い、自分の立場で、それを実践したのがこの曲だと僕は解釈する。
ジョンはジョンで1968年という熱い時代に正直であろうとしたのだ。
例えば、この曲がレコーディングされたのは、1968年5月30日、6月6日、10日、11日、20日、21日と言われているがその頃、世界はどのように動いていたのかを見てみよう。
4月04日 - マーティン・ルーサー・キング暗殺。
5月11日 - ドイツのボンで50,000人の反戦抗議集会
5月18日 - イタリアのローマでの大規模ストライキ
5月19日 - ジョンがヨーコと最初の夜を過ごす。
5月21日 - フランスで、五月革命勃発。(1000万人デモ)
5月30日 - REVOLUTIONのレコーディング始まる。
6月05日 - ロバート・F・ケネディ暗殺。
7月14日 - プラハの春。
7月23日 - パレスチナ解放人民戦線がハイジャック。
8月20日 - ソ連軍がチェコスロヴァキアに軍事介入(チェコ事件)。
まぁ、凄い時代だった。ジョン、そしてヨーコの頭の中で、いろんなものが煮えたぎっていたのは想像に難くない。あの時代の、あの瞬間を音にした、それが「REVOLUTION 9」だったのである。
自分はその時代、小学生だったから、当時の「空気」を感じたとは言えない。でも、その後、いろんな人の話を聞くと、凄かったんだろうなと想像する。例えば、今では、カナダの田舎町で寿司職人をしているある人は、新宿騒乱(1968年10月21日)の夜、明日にでも革命が起きるって本当に信じてたって言ってた。今考えると笑っちゃうような話だけど、そういう「空気」があったことは確かなんだと思う。
★
さて、話を戻そう。
そして、ジョンはこの曲をビートルズの自主レーベル・アップルの最初のホワイトアルバムに入れることを強く主張した。
ポールとリンゴは強く(リンゴがどれくらい強かったのかは疑問だが)反対したらしいが、結局、ジョンはそれを押し切って、ホワイトアルバムに収録する事となった。
ジョンは、この曲をホワイトアルバムに入れることによって、最大限のアバンギャルド効果を上げたかったのだろう。それは、こういった前衛音楽は、それがどういった文脈に置かれるのかってことが重要だからだ。例えば、マルセル・ジュシャンが便器を展覧会に出展して「泉」と名付けたように、ジョンは、この曲を、ビートルズのアルバムという文脈に入れる事で完璧なコンセプチュアルアートにしようとしたわけである。
だから、「Two Virgins」のような別作品では意味がなかったんだと思う。
★
おそらく、この曲の最大のクライマックスは曲の最後の方でヨーコがつぶやくこの言葉だ。
You became naked
あなたは裸になったのよ
ようするに、ジョンはここで「全ての曝け出し宣言」をした(させられた)のである。
そして、この後、とにかく彼は自分に正直でありつづけようとした。
何も隠さない前人未到の表現道を進むのだ。
おそらく、この作品の延長線上に、「ジョンの魂」があり、「イマジン」がある。
そういう意味でも、この作品はジョン史上、重要なポジションにあると思う。
P.S.なんだか、最も「REVOLUTION 9」的でない普通の結論になってしまってスマソ。
まさむね





ガラクタ中のガラクタであり、前衛でもアートでもなんでもない。
前のまさむねさんの記事にあったように、みずからビートルズから脱却するビートルズの結果だ思います。
「遊び心」なのか、本気で革命を考えたのか、作り手の意思は受け手によって様々に受け取ることができるので、この曲(?)を聴いたファンの思いは「十人十色」でしょう。
「Revoluion 9」がアルバムの最後でしたら「Good Night」を聞き終わった時点でLP(今はCD)をジャケット(今はプラステック・ケース)にしまう人が多かったと思います。
いろんな角度から「ビートルズ」にアプローチするまさむねさん。
「深いんだなぁ~」
ヤンマさん
こんにちわ。
実は「No.9」は時々、無性に聴きたくなることがあるのですが、一方で、全くいまいましく感じるときもあり、その時の自分の心の状態の鏡みたいなところがありますね。
だから、手放しで好きというわけではないです。
「深い」と言っていただき、恐縮です。自分でも考えすぎだとは思っていますが、それが性分なので諦めています。
でも、いつおお読みいただき(お付き合いいただき)感謝しています。
はじめまして
REVOLUTION 9 の検索キーでここに来ました。
すてきなブログでね。すっかりファンになりました。
これからもよろしく。
さて、巷で話題の Revolution 1 (Take 20) をご存じですか。
http://news.jp.myspace.com/NewsArticles/2326.aspx
これは本物でしょうか。
本当だったら、ようやくREVOLUTION NO1 と NO9
の間にあった溝が埋まったわけで、
聞くと、ジョンが68年の段階で、21世紀のポストロックの
境地に達していたことが分かります。
でも、どうでしょうか。
lonely People さん
こんにちわ。
Revolutionの例のバージョンに関しては僕も聴いたことありません。
確か、下のブログにその件に関して詳しいです。
http://beatlesinmind.blog101.fc2.com/?q=revolution
これからもビートルズ書いていきますのでよろしくお願いします。
こんばんわ
この曲については色々意見が割れるでしょうね!
2枚組の『ホワイト・アルバム』だったからこそ、入り得た~ジョージ・マーティンは、今でも「1枚にしてコンパクトにまとめたかった」と言ってます。
そうなった時は、真っ先に削られる運命をたどったでしょうね(笑)
個人的には、この曲はジョンのソロ作品で発表して欲しかったと思ってます。
というのは、作品の良し悪しを言ってるのではなく、この曲は、あくまでも“ジョンとヨーコの作品”であってビートルズの作品群の中に入れるべきではないと思っています。
ヨーコのビートルズへの、図々しい介入、それを許したジョン~これが、ビートルズが後味が悪く喧嘩別れした大きな引き金になったと思ってます。
John Beatle Lennonさんのおっしゃること、よくわかります。
これも、ビートルズの楽曲の一筋縄ではいかなさ、40年経ってもまだ、議論を続けても飽きがこない奥深さだと思います。
私は個人的にはREV9肯定派ですが、仮にもう一曲、同様なコンセプトの曲が入っていたら、NGだったと思います。そのあたりのギリギリのサジ加減もビートルズマジックだと思っています。
でも、確かに1枚組にしたとしたら、マーチンから削除されていたことは疑いないところですね。
はじめまして。マサムネさん、あなたの言いたいことがなんかわかる気がします。
レボリューション9は、ジョンレノンの凄さをドカンと感じさせる曲だと思います。
切り刻みになった音のコラージュのようですが、浮かび上がってきては沈んでゆくメロディの断片はある時は悲しくある時は衝動的な感じですが、その一見メチャクチャな構成が
大きな曲の流れのように感じた瞬間、一瞬一瞬を切り取るような配列にも感じられ、そして
ジョンの「RIGHT!RIGHT!」「ラァアアアアアィト」・・みたいな叫びがあり、マサムネさんの言うクライマックス「You became naked」の声が入って
むージョンは、ビートルズはって考えると聞きたくならない人もいるかもしれませんが、いつのまにか着けさせられてる色眼鏡を外して、自分なりの色眼鏡?を通して聴くと鳥肌が立つような作品だと思います。
yoshinobu様
一本気新聞にお越しいただきありがとうございます。また、コメントもありがとうございます。
さて、Revolution9に関してですが、この曲ほど、こちらね気分、心の状態で違って聞えてくる曲はありません。誰だったか忘れましたが真に芸術的な作品は作者の手を離れた瞬間に生まれるというのを聞いたことがあります。
その意味でこの曲は真に芸術的だと思います。しかも、ホワイトアルバムに入れることによって社会性まで帯びている、やっぱりジョンにしか作れなかった名曲ですね。
そういえば先程の言葉はポールヴァレリーの言葉だったかもしれません。
それでは、また。
[...] 「REVOLUTION 9」をどう聴くか?それが問題だ! | 一本気新聞 http://www.ippongi.com ippongi.com/2009/04/11/%E3%80%8Crevolution-%EF%BC…8C%E3%81%8C%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%A0%EF%BC%81/ – view page – cached ホワイトアルバムに収録されている「Revoluion Show influential only (1) $(’#filter-infonly’).change(function() { var el = $(this); var url = document.location.href; var checked = el.attr(’checked’); if (checked) { document.location.href = url + ((/?/.test(url)) ? ‘&’ : ‘?’) + ‘infonly=1′; } else { document.location.href = url.replace(/[?&]?infonly=1/,”); } }); [...]
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