Articles Archive for 26 6 月 2009
ビートルズ »
ロスジェネ論壇の旗手・東浩紀が『動物化するポストモダン』等の著作で、今世紀に入って、映画やアニメや小説などのユーザーの享受の仕方が物語消費型からデータベース的消費に移ったというようなことを言っている。
ようするに、今までは、ある作品における物語的な側面にばかり批評が傾きすぎていたという批判だ。
確かに、その通りかもしれない。しかし、僕達のようにトウの立った世代の人間は、いまだに物語にこだわってしまう。それどころか過剰に物語を読み込んでしまう。そんな性根が捨て切れなくて、もう50歳になろうとしいるのに、恥ずかしながらまだ、その「意味という病」に取りつかれているのだ。
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ビートルズをめぐるいくつかの永遠のテーマがある。「ホワイトアルバムを一枚にするとしたらどういう編成にする?」とか「ジョージにとってインド音楽とは何だったのか?」とか「ビートルズ解散にオノ・ヨーコはどういう役割を演じたか?」等など。
そしてその中に「アルバム『Let It Be』の編成、自分だったらどうする?」というのがある。
ご存知の通り、アルバム『Let It Be』は、1969年の初頭、いわゆるゲットバックセッションという「地球史上最悪なセッション」(ジョン談)で弾き散らかされたビートルズの音源を当時売れっ子のプロデューサ、フィル・スペクタがアルバムとして作り上げた作品である。
発売後にポールが「The Long and winding road」のアレンジを嫌悪したというのは有名は話である。
そして、それから約33年後に、ビートル達の当初の意図を汲み取ってライブに近い形でリミックスして出来上がったのが「Let It Be… Naked」というアルバムだ。勿論、これはこれで賛否両論を巻き起こした。
そこで、永遠に決着がつかないのならということで、僕も誠に勝手ながら、「Let It Be」を自分なりに構成してみた。
このエントリーの冒頭にも書いたように、僕は過剰に物語を読み込むタイプの人間だ。
その(悪?)趣味からすれば、この「Let It Be」は、ビートルズがその解散劇を一つの作品としてドキュメンタリタッチに表現した作品にすべきだと考えている。
音に関して、具体的に語ることは難しいし、その力もない。だからあくまでドキュメンタリとして曲順にこだわってみた。(歌詞はいつもながら内田久美子訳である)
それが以下のラインアップである。
1.Dig a Pony
2.Dig It
3.Across the Universe
4.For You Blue
5.Get Back
6.I Me Mine
7.Two of Us
8.Maggie Mae
9.One After 909
10.I’ve Got a Feeling
11.The Long and Winding Road
12.Let It Be
まずは、「Dig a Pony」これはジョンのヨーコに対する熱愛ソングである。Dig(掘る)A PONY(プリティ・オノ・ヨーコ)というようにも深読み出来るこのタイトル。身も蓋もない言い方を許していただけるのならば、次の「Dig It」とともに、「俺の関心は、ヨーコとのセックスしかないよ」というジョンの身勝手な宣言ソングなのである。だから、オープニングにはこの2曲が来る。
さらに、ジョンの一人の世界は続く。確かに名曲ではあるがこの「Across the Universe」、
Nothing’s gonna change my world
何ものも僕の世界を変えることはできない
ようするに「誰も俺の世界に入ってくるな」ってことである。
そして次に来るのは「For You Blue」。勿論これはジョージの曲であるが、映画「Let It Be」を観る限り、その主役はやはりスライドギターを弾くジョン、そして彼にはべるヨーコである。それにしても、ジョージの楽曲にジョンがマトモに、参加したのはいつ以来だろうか。
さて、そんなジョンとヨーコの熱々ぶりに、嫌気がさし、しかし、どうしても昔のように戻って欲しいのがポールだ。「Get Back」の中で「Get Back Jo-Jo」と叫ぶフレーズがあるが、ここでいうJo-Joは勿論、ジョンのこと。それは次回作「Abbey Road」のオープニングの「Come Together」の最初の歌詞の「He got Joo Joo eyeball」と通じている。
さて、そんなジョンとポールのそれぞれの身勝手に嫌気がさしてきたのがジョージだ。「I Me Mine」でこう叫ぶ。
Ime me mine, I me me mine, I me me mine, I me me mine
俺が俺が俺がと自分のことしか考えない
というわけである。
そして最悪の状態は次の「Two of Us」へ。ご存知の通り、この楽曲の演奏中にポールとジョージが激しい口論になるのだ。しかし、その歌詞の中でポールはまだジョンに対する未練を歌う。
You and I have memories
Longer than the road
That stretches out …




