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これから始まる朝青龍の本当の物語に刮目せよ

21 7 月 2009 No Comment

朝青龍が千代大海の引き落としにばったりと落ちた。

立会いから千代大海の突き押しに後退し、土俵際まで追い詰められ、体が完全に伸びきったところを引き落とされてしまったのだ。
一緒にテレビを見ていた妻は仕切っている時から、朝青龍の肌つやの悪さ、オーラの無さを指摘していたが、結果は案の定。
女の勘はいつも鋭い。

それにしても、ここ数場所、一度、緊張感の切れた朝青龍のその後の取り組みはあまりにも脆い。
人並みはずれた気迫と集中力でここまで綱を張ってきた横綱だけに、今後が気になる。
白鵬や日馬富士等、モンゴル勢の成長、琴欧洲、把瑠都等巨漢の欧州勢の台頭の陰で朝青龍の存在感の薄さは寂しい。
このまま、ジリジリと引退の道を歩んでしまうのだろうか。それはあまりにも悲しすぎるではないか。

かつて、憎らしいくらいに強いと評され、ヤンチャで豪放磊落な横綱として、一世を風靡した男の意地を見せるのはこれからだ。
人間誰だって、上り坂の時もあれば、下り坂の時もある。しかし、人間の価値は、その下り坂の時にどれだけ踏ん張れるのかにあるのではないか。
今が正念場の朝青龍、彼の本当の物語はこれから始まるのだ。

その他、今場所で輝いている関取について語ってみたい。

朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜に続く、モンゴル勢の雄が翔天狼だ。その優しい表情からも想像できるが、彼は本当に親孝行らしい。彼が勝てば、故郷のお父さん、お母さんも喜ぶと思えば、応援しないわけにはいかない。そんな雰囲気を持った彼はスターの素質十分だ。
花がある力士といえば、やはり山本山を外すわけにはいかないだろう。猛虎浪との一戦は、ギリギリの取り直し、極端に体力が無いのか体が重すぎるのか、二番目は見るからに疲労していた。それはそれで見世物としては面白いのだが、大丈夫かと思わず肩を叩きたくなる。
あまりの疲労のため、控え室に下ったのは勝った猛虎浪よりも後だったという冗談みたいな逸話を残してくれた。
今場所は、把瑠都の明るさがヤケに目立つ。元々、陽性の力士ではあるのだが、対戦を終えて花道を下るときのニコニコ顔は憎めない。体の大きさは精神のおおらかさをも内包しているのか、白人とはいえ、久々に「お相撲さん」といったたたずまいが素晴らしい。
今場所好調なのが琴欧洲である。体の大きさの割りに、相撲の小ささ、気の弱さが指摘される大関だが、今場所は逆にその気の弱さを慎重さに替え、巨漢力士にありがちな大雑把な相撲ではなく、理にかなった動きで、昨日の魁皇戦も上手く乗り切った。白鵬という大きな壁があるにしても、久々にやってきた優勝のチャンスを是非ものにしてほしい。
また、ご当地の琴光喜も好調のようだ。ここのところ、分の悪かった日馬富士に対して、彼を上回る動きの速さで1敗を守った。熱烈なファンでしられる愛子様も大喜びだろう。最近は、プロ野球にもご興味をお持ちだという愛子様だが、今日の琴光喜を見て、再び大相撲を見直してくれたに違いない。
好調と言えば、稀勢の里を忘れてはいけないだろう。その武骨な表情はかつての北の湖をも髣髴させる。花という意味では残念ながら琴欧洲や日馬富士に一歩譲るかもしれないが、内に秘めた気迫は並ではない。日本人として横綱に最も近い男、攻めて攻めて攻めまくれば、栄冠も近いに違いない。
一方、頑張って欲しいのが阿覧だ。初めての上位挑戦で星が苦しくなるのは仕方が無い。しかし、いつもの力まかせのバチバチファイトが見られないのが寂しい。確かに、彼の課題は、相撲のセオリーを学ぶことだという意見もわからなくもないが、彼の個性である格闘技的な気迫、ファイトを期待したい。おそらく彼にしか出来ないパワーファイトがあるに違いないのだ。

まだまだ語りたい力士は沢山いるのだが、今日はこのへんで...
それにしても、やっぱり相撲は楽しい。様式美の中に人間の生の気持ちが現れる一瞬が見る人の感情の襞に触れるのだ。
日本人の発明したもののなかで最高の一品が大相撲だと思うのは僕だけだろうか。

まさむね

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