僕の趣味は、スポーツとしての「墓探しゲーム」である
趣味はなんですか。という質問が昔から苦手だった。
特に履歴書の趣味欄というのが恨めしかった。ここに書けるような趣味がなかったからである。
確かに、プロレス観戦というのは20代~30代に一番、時間をかけた「遊び」だったが、恥ずかしながら趣味というのにはちょっと違和感があった。なんか変った人と思われるのがどこかで嫌だったからだ。
しかし、最近、ようやく趣味と呼べるものが出来た。それは墓巡りである。
勿論、これはこれで、常識的な人からは、眉をひそめられる可能性がないわけではない。
ただ、この歳になってしまえば、逆に「恥ずかしがる事自体が恥ずかしい」というある種開き直りにも似た心境になってきたのである。
僕の場合、墓巡りと言っても、ただ有名人の墓に行って、お参りするというだけではない。有名人の墓石に刻まれた家紋を撮影して、種類分けするというのが最終目的だ。そして、この一本気新聞上の「有名人の家紋」というコーナーでデータベース化させていただいているのである。
しかし、それとは別に、霊園で有名人の墓を探すという行為はそれ自体でもかなり楽しいゲームであることに最近気づいている。
このゲームは、まずは下調べから始まる。
『東京お墓巡り―時代に輝いた50人(生活人新書) 』『東京・鎌倉 有名人お墓お散歩ブック―誰もが知っている104人の墓碑完全ガイド』『図説 東京お墓散歩 (ふくろうの本) 工藤 寛正 』といった本や、 名墓録、有名人の墓、文学者墓所一覧表といったサイトで墓の場所をチェックするのである。
★
そして、最寄り駅に集合。僕は同志二人と三人でTBC(東京墓石倶楽部)という会を結成しているのだが、彼等はそれぞれが墓探しの得意技を持っていて頼もしい。O君は抜群の視力と勘の良さを頼りに次々と墓の場所を突き止めていく。彼の目にかかれば、谷底にいても山頂の墓石に刻み込まれた人の名前もキャッチできるのだ。また彼の墓探しの勘は、それこそ天下一品。墓の方から彼に「見つけてくれよ」との信号を発しているかのような発見率を誇っているのである。
また、K君の得意技は、通称・墓守誑し。つまり、すぐに墓所関係者と仲良くなり、墓の場所を聞き出すのが得意なのだ。昨今、個人情報保護を盾に、口の堅い墓守さんも増えているが、そんな彼等もK君の話術をもってすれば、コロっと墓の場所を漏らしてしまうのであった。
そんな三人が、本やネットの情報で墓を探すわけであるが、それが一筋縄ではいかない。あるはずの墓がなかなか見つからないこともしばしば。山を登ったり降りたり、まるでオリエンテーリングのように駆け回るのだ。(左図は東京ドーム12個分の広さの鎌倉霊園)
それが、誰が一番早く墓を見つけるかを競う、ある種、スポーツのような面白さなのである。
★
また、墓をみつけてみると、その個性にうなずかされるときもある。先日、鎌倉霊園に行って、『ビルマの竪琴』の作者・竹山道雄さんの墓を見つけた時もそうだった。竹山さんの墓は、著名な文学者の墓という感じではないのだが、墓の回りに雑草が生い茂っていて、ビルマのジャングルをも想像させるのであった。
また、以外な有名人同士が「墓ご近所」だったりするという発見をすることがある。例えば、鎌倉霊園だったら、川端康成の墓と堀口大學の墓は隣同士だし、大杉勝男と大伴昌司が近所だった。また、有名なところでは、三鷹の禅林寺の太宰治の墓は森鴎外の墓の向いにあったり、巣鴨の慈眼寺の谷崎潤一郎の墓のすぐ近くに芥川龍之介の墓があったり、谷中霊園の鳩山一郎の墓のすぐ隣に横山大観の墓があったりするのだ。
う~ん、これらの組み合わせには想像を掻き立てられるなにかがある...
★
確かに、ゴルフとか競馬とかグルメというような、社会に認知されたレジャーとしての趣味というのもいいだろう。
ただ、なんだかわからないが、いつの間にか夢中になってしまうオリジナルな「遊び」というのも乙(オツ)なものである。
いつまで(厭きないで)続けられるかわからないが、しばらくは止められないと思う。
まさむね




いやいや、これはもう結構メジャーな趣味ですよ(というと自分も正当化できる)。
その手の書籍も多いですし、立派なホームページも多いです。
ウチの会からも『探訪 江戸明治名士の墓』(新人物往来社)と言うのが出ていますので、よろしければ読んでみて下さい。約1500墓を掲載しています。
いずれヒマになったら全国の無名武将の墓を紹介するようなものも書きたいなと思っています。著名な武将の墓は知られていますが、古城巡りをしていた頃、草むらに埋もれた五輪塔などをよくみかけたもので古城マニアにはよい案内になるかなとも思っています。
「墓」というのは人生の凝集点として様々なイメージを掻き立てられますよね。
高澤先生
おはようございます。
『探訪 江戸明治名士の墓』は読ませていただきます。
それにしても、1500墓というのは、凄い。労作ですね。
無名武将の本も楽しみにしております。
それと、もしかしたら、先生とは、どこかの墓地でお会いしているかもしれませんね。
今後ともよろしくお願いいたします。
Leave your response!
ページ
最近の投稿
リンク
人気エントリー
カテゴリー
カレンダー
アーカイブ