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ソーシャルテレビ時代に復活して欲しい「テレビのちから」

25 9 月 2009 No Comment

ドキュメンタリー番組「情熱大陸」が9月から、Twitterでリアルタイムチャット的に情報を流し始めた。現状では、「参加時刻は放送の前後30分、よる10時30分頃から12時頃までを予定しています。放送中は、じっくりとテレビを観ていただきたいので、おもに放送の前後の書き込みになると思いますが、ご参加いただける方はよろしくお願いします。」とのことだ。
リアルタイムチャットの本当の意義はまだわかっていないかのような腰の引け方は気になるものの、とりあえずテレビ制作者側が、いわゆるインタラクティブな批評に対して、窓を開けたということは評価されていいかと思う。こういった「ソーシャルテレビ」化は今後、どのように進んでいくのか、楽しみに見守りたいと思う。

ご存知の通り、Twitterには、ブロック機能というのがあって、「荒らし」「誹謗中傷」等を書き込んだユーザーに対しては、ID単位に書き込めなくなるだけではなく、情報が流れないようなになっている。ということは、そういったネガティブな書き込みを抑制する自浄作用がアーキテクチャアとして組み込まれているということだ。
テレビ番組にたいする「ツッ込み」は2chの実況板という伝統場があるが、ここでの書き込みは、ほとんどが「耳の痛い」ものだ。逆に視聴者側からすれば、言いたいことが無責任で言え、読めるところが刺激的で面白かった。それらの言葉は、ブラウン管内の「生ぬるい」突っ込みによりも、明らかに刺激的で、毒があった。
しかし、制作者側からすれば、これでは逆パブになりかねないと、これらの辛らつは批判は見てみぬふりをしてきた。
しかし、Twitterならある程度、安心出来るという判断があったのだろう。しかし、今後、このTwitterでのリアルタイムチャットは、その毒をどの程度、保持して運営されるのだろうか。
とりあえずは、生ぬるい形で始めようということだろう。しかし、ちょっとでも制作者側に不利な書き込みがあった途端に、ブロックされてしまうのならば、それは、アッという間にTwitterの「茶坊主化」が進み、誰もフォローしなくなってしまう可能性もある。
さらに将来的には、番組の制作者、出演者が主催する有料Twitterなどが出てくると思われる。
それが、それがビジネスとして成功するかは不明だが、少なくともその動向は楽しみである。

さて、ここのところ、とんねるず系の視聴率の低迷が言われている。のりさんの「未来創造堂」は放送打ち切り、たかさんの「うたばん」は曜日引越しなど、具体的な仕打ちが始まっている。思えば、彼等のウリはいわゆる「素人的なツッ込み宴会芸」の延長線上にある行儀の悪さである。それが30年間もテレビの第一線に出続けたということ自体は奇跡的なことではあるものの、そろそろ厳しくなってきたということだ。
おそらく、その背景として、ブラウン管内でツッ込むということの宿命的な「生ぬるさ」に視聴者が気づいてしまったということが大きいのではないか。
結局は、ネットの過激さと対比して、芸能界という内輪の仲間意識、放送コードなどの規制等が透けて見えてしまえば、彼等のツッ込み芸が価値を失っていくのは必然といわざるを得ないと思う。

それでは、こういったネット時代において、どんなテレビが今後、人気を博していくのであろうか。
僕は個人的には、「テレビのちから」の復活を願う。
この番組は、いわゆる公開捜査番組である。そこには社会的に重大で、”旬”な殺人事件(例えば、リンゼイさん殺害事件など)から、名も無い旦那の失踪事件まで、それこそ様々なレベルの事件が、同様のテンションで捜索され、語られるのである。高橋秀樹、中山秀征、川合俊一、林家正蔵、室井佑月、北芝健、東ちずる、家田荘子など、微妙な大物が不必要に並び、それぞれが必死に、時には過剰に事件に対して思い入れて「心配」する。
時に、彼等の会話の間隙をぬって、「現場」からの緊急情報という梶原しげるの天の声が挿入される。その際、聞き耳を立てる高橋秀樹のゆがんだ眉間の皺こそ、この番組の最大の見せ場の一つであった。
さらに、番組はより一層胡散臭くしているのが、ある時はポーランドから、そしてある時はオーストラリアから、それこそ、世界中から集められた超能力捜査官の存在だ。

あくまでも僕の主観だが、中でも一番インパクトがあったのが、日本人の”デコ”師という名のイタコのような老婆が、登場して事件を透視するという場面であった。
彼女は、失踪した被害者の写真を見ながら必死に透視しようとして手を握り締める。そして手の平に出てきた自分の汗を見ながら、「水だ!この事件は水に関係ある!!水といっても水商売かもしれない!!!」と叫んだのだ。
さすがにスタジオの面々もこの推理はフォローし切れなかったと見えて、この”デコ”師は、それ以来、登場しなくなってしまったが...

それはともかく、このように毎回、事件の核心に迫り、何週にも渡って、その事件を引っ張るも最終的には、うやむやになる。「現場から白骨化した骨が出てきた!」...しかし、次週その骨はイノシシの骨であることが判明、というようなことが繰り返されながらも僕等はこの番組を見続けてしまうのだった。

おそらく、このテレビ特有の生真面目な胡散臭い番組こそ、「ソーシャルテレビ」を前提とした時代に再び輝きを増すものとしてクローズアップされてくるに違いないと思う。

まさむね

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