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仁はまるで『ラブプラス』にハマる若者と同じではないのか

13 12 月 2009 No Comment

ニンテンドーDSの『ラブプラス』(コナミ)という恋愛シュミレーションゲームがある。

このゲームの特徴は、DSに内蔵している時計、リアルタイムロック(RTC)によって、現実の時間や季節に合わせた「恋愛生活」が体験できるところだそうだ。
バーチャルな世界よりも、現実界に重きを置くような(普通の)人にとっては、眉をしかめたくなるようなソフトであるが、これが各方面から大きな反響があったようだ。
以前のヒットゲームの販売本数には遠く及ばないとはいえ、おそらく20万本は出荷している。このご時世としては、大ヒットなのである。

さて、TBSの日曜劇場「JIN-仁」が、残り後1回の放送を残し、佳境に入りつつある。ストーリーが幕末の江戸の人々と南方仁(大沢たかお)との人情話から、徐々にSFチックな流れ、つまりタイムスリップ物としての決着をつけるフェーズに入ってきたというべきなのだろう。
まだ、多くの謎を残しながら怒涛の展開に入る予感の最終回、85分の拡大版だそうだ。
しかし、よく考えてみると、仁は、彼の周りにいる吉原の花魁・野風(中谷美紀)や旗本の生娘・咲(綾瀬はるか)といった彼を慕う女性達よりも、二次元の女性・未来(中谷美紀)への想いにとらわれた男、それはまるで『ラブプラス』に夢中になって現実の女の子をないがしろにする現代の若者と紙一重なのではないだろうか...

しかも、ただ、バーチャルな女性に恋心を抱き、ゲームを楽しむだけならば、それほど実害は無いのだが、南方仁はそうではない。彼女達、そしてついにはあの坂本龍馬をも振り回す行動に出る。
彼にとっては、二次元の女性の方が、目の前の具体的なの人々よりも大事なのだ。
前回のエントリー「ここはウソで固めた世界でありんす」とは僕らの台詞だで、このドラマの「現代人が根源的に持っている世界に対する違和感」とシンクロしているところが、このドラマのヒットの一因だというようなことを書かせていただいたが、上記の観点を加えるのならば、「JIN-仁」は擬似恋愛というものが普通になりつつあるような現代における男と女の悲劇をも視界に入れた極めて「近未来的」なドラマといえるのかもしれない。

「JIN-仁」に漂う、倦怠感、徒労感は、すべての運命を悟ってしまった男の無力感に通じる。一つの現実をあたかも、すでに終わってしまった過去の一シーンとしてしか見ることが出来ない男は、本気では現実にコミット出来ない。
彼が、常にバーチャルな女性を求めるというのは必然なのかもしれない。そして、彼はどこまで行っても「どこにも居場所の無い男」つまりNowhere Manであり続けるしかないのだ。

仁と同じような根源的な悩みを抱える若者達に対して、「とにかく、出来ることをやれ!」と声をかけることは簡単だが、それはただ、彼らの持つ悩みから目を逸らさせることにすぎない...と思いつつも、そうとしか言えない初老の僕らもまた”仁的”な深みにハマっているのかもしれない。

この答えの無い根源的なハマり込みになんらかの回答が出るのか、あるいは、最終的にも「とにかく、出来ることをやれ!」という事にしかならないのか、最終回の「JIN-仁」は見逃せない。

まさむね

2009.12.07 「ここはウソで固めた世界でありんす」とは僕らの台詞だ
2009.12.01 大学の学長達には是非見て欲しかった今週の「JIN-仁」
2009.10.27 「リアル・クローズ」と「JIN-仁」が今クールの僕のはまドラ♪♪だ
2009.10.18 「JIN-仁」における坂本龍馬の目の輝きは必見である

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