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どんな映画よりも冒険活劇な「友だちのうちはどこ?」

22 4 月 2010 2 Comments

これこそが冒険活劇だと思った記憶がある。
別に怪獣が出てくるわけでも、勿論CGもない。だが、そこには観る人をワクワクさせる、あるいはどきどきさせる真の映像の力がある。
ただ、友達のノートを家に持って帰ってきてしまった少年が友達の家にまでそのノートを帰しに行こうとするが返せない。というような話だ。
彼に襲い掛かってくるのは、そんな彼の焦る気持ちを知らない普通の人々だ。
大人にとって子供とは道具だった。おそらく、近代まではそうだったのだろう。簡単に子供に物事をいいつける。それも文化だ。
おそらく、この映画が秀逸なのは、この少年の焦りがそのまま伝わってくるからだ。不安が伝わってくるからだ。
友達にノートを返せなくて、しかたなく宿題をやる少年。振り返ると激しい風が家の中に入り込んでくる。そんなシーンがあったように覚えている。その風こそが彼の不安の象徴だ。
高野文子という少女漫画家の「絶対安全剃刀」の中に、どういう経緯だったか忘れたが、先祖のことを思い、一瞬、仏壇に振り返る少女が出てくる。
僕はその少女と、この「友だちのうちはどこ?」の少年が僕の中でシンクロする。

そういえば子供の頃は、なにかと不安だったな。僕のうちにはネズミが沢山いたが、常にネズミがどこから出てくるんじゃないかっていつもビクビクしていた記憶がある。
そんな子供の頃の不安の普遍性がこの映画の普遍性に通じるんだろう。

この映画は1987年作だというが、僕が観たのは90年代に入ってから。場所はユーロスペースだった。

まさむね

2 Comments »

  • じつに said:

    公開当時見ました! イランの映画で、すごい風景なんですよね。荒涼としてるけど美しいみたいな。石でできているような家が連なっていたり、丘を登るジグザグの道があったり。
    子供がかわいくてね。おどおどしながら一生懸命勇気を振り絞って使命を果たそうとするんですよね。
    子供目線っていうけど、ほんとに腰をかがめて街を見ると、それだけで風景がダイナミックになります。
    そういえば、先日自宅付近の交差点でスケボー野郎がゲリラ撮影をしていて危なかった。
    一人がスケボーで技を見せながら道路を疾走し、もう一人が路面すれすれにビデオカメラを構えてスケボーで追っていました。あの低さであのスピードを追ったら、かなりスリリングになるでしょう!

  • masamune (author) said:

    じつにさんへ

    こんばんわ。
    僕はイランに一度行ったことがありますが、まさにあんな感じの石の家がありました。
    前にも書いたんだけど、そんな石の家があって、これは遅れてるなぁと思ったとたんに、超近代的なスーパーマーケットがあったりして驚いた経験があります。

    何千年もその土地に住んでいるということは凄いことだなぁと思います。
    アメリカに疎外されても全く動じない。ただ、クレジットカードが使えないだけでみんな幸せに生きている。国の底力があるんですね。

    だから、キアロスタミみたいな人も出てくる。彼はけっしてポっと出ではないと僕は思います。

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