「その男凶暴につき」は「寅さん」の陰画だったのか
18 5 月 2010
2 Comments
1980年代最後に登場した画期的な映画、それが北野武の「その男凶暴につき」であった。
映画の歴史は、作品と制度との戦いの歴史でもある。
いい映画は、どれも”映画という制度”と戦っている。その意味で、この「その男凶暴につき」はいい映画だったと思う。
この映画が戦っていたのは、それまでの映画の中の暴力という制度である。
現実世界での暴力は常に唐突だ。しかし、この映画までの映画の中の暴力は、まるでプロレスの技のような「芸」に過ぎなかった。
この映画で、ヤクザの流れ弾に当たって死んだ女子高校生、この瞬間、映画は進化したのだと、僕はこの映画を観たときに思ったものだ。
しかし、この唐突の暴力は北野武の「芸」だったということを後で知った。
やはり彼は天才だ。
この映画のラスト近くのシーンで、アズマは気の狂った妹(川上麻衣子)を銃殺した。凄いシーンだった。
映画における兄と妹、僕はそのシーンで「寅さん」を思い出した。
「その男凶暴につき」は「寅さん」の陰画だというのがそのときの直感である...が、おそらく、それは正しくなかった。
僕の直感は大抵が間違える。
そして、この映画はその間違いの一つと一緒に僕の心の中に残った。
まさむね





私も先日この映画をもう一度観ました。
まさむねさんと同じで特に理由もなく、
ただ心に残っていて観たいと思ったので…
やはり心に刻まれるものが、この映画にはあり、
名作かどうかは解りませんが起点であり、支点でもあるような
作品だと思います。
高澤先生へ
こんばんわ。
北野武がいたおかげで90年代以降の世界の映画シーンにおける日本のプレゼンスがある程度保てたんだろうと思います。
おそらく、彼はそれまでの映画の文法(ルール)というものに染まっていかなかったゆえに、斬新になれたのではないかと思っています。
どちらかといえば、嫌な映画なんだけど、たまに観たくなりますね。
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