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麻布は墓マイラーにとっても歩きがいのある街である

29 5 月 2010 No Comment

6月に発売予定の「家紋主義宣言」は、墓マイラー(家紋採取者)の散歩記という面もあります。お楽しみに。
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さて、先週の週末にTBC(東京墓石倶楽部)で麻布近辺の墓を巡った。
このTBCは仕事関連の元同僚と作っている東京近辺の霊園や寺院を巡り、墓や墓に彫られている家紋を採取してまわる地味な倶楽部である。
最近は、墓巡りを趣味とされる方も増えてきたようで霊園などでカメラを肩から下げ、本を片手に墓を探している方々の姿をよく目にするようになった。
おそらく、この長引く不況によって、人々の娯楽に対する意識も徐々に変わっているのを実感する。もう一度、足元を見直してみれば、楽しいことはゴロゴロと転がっているのかもしれないのだ。決して、金をかけたからといって充実した休日をすごせるわけではない。よく考えてみれば、当たり前の話である。

さて、麻布近辺の寺でまず思い浮かぶのが、麻布十番にある善福寺だ。慶応義塾創設者の福沢諭吉先生夫妻の墓がある。家紋は丸に抱き鷹の羽(左画像)である。一般的に、映画などで福沢諭吉が描かれるときには割り楓紋の紋付を着ていることが多い。確か、柴田恭兵が主演の映画もそうだった。また、多磨霊園にある福沢桃介(福沢諭吉の養子)の墓では割り楓の紋(右画像)を見ることが出来る。

また、この善福寺には、福沢諭吉の墓のほか、源氏鶏太や鮎川信夫の墓もある。それらの墓は、福沢諭吉の墓の脇のちょっとした丘の斜面にある。おそらく、このエリアはその昔は里山的な場所だったのかもしれない。

麻布といえば、元麻布の賢崇寺の鍋島藩関連の墓も味わいがある。本堂に一番近いところに、鍋島忠直や歴代・鍋島家(三家)があり、その奥に家臣達の墓が並ぶ。一番奥に歴史学者の久米邦武、画家の久米桂一郎の墓があった。家紋は五つ銀杏である。
鍋島といえば、今で言うところの佐賀県、長崎県あたりの藩主である。一連の墓の中に、原口家や久間家の墓などがあったが、もしかしたら、現総務大臣・原口氏や元防衛大臣の久間氏の遠縁にあたる方がねむっているのかもしれない。
二人ともあのあたりの出身だ。そういったところを想像して歩くのも楽しい。
ちなみに、原口氏の墓所には違い鷹の羽、久間氏の墓には花菱の家紋が見られた。

麻布といえば、欠かせないのが新選組・沖田総司の墓がある専称寺であるが残念ながらここは墓所に立ち入ることが禁止されている。塀の外から写真をとることができるだけだ。ただ、丸に横木瓜という家紋だけは確認できた。よかった。

また、麻布における墓マイラーの最大の聖地が長谷寺である。このお寺は高樹町の交差点、フジフィルムの本社のすぐ近くにある曹洞宗のお寺さん、竜胆車の寺紋がみえる。
今までも何回か訪れたこともあったのだが、今回は、徳間書店社長の徳間康快氏の墓参と家紋採取が目的だった。こういった最近亡くなった大物の墓は新しく大きいという(当たり前)の文字通りの”定石”があるのだが、徳間氏の墓は、墓所の奥に一般の方と同じような墓であった。これでは今までわからなかったわけだ。家紋は三つ星に二つ引きであった。

また、この長谷寺には明治の元勲の一人・井上馨の墓があることでも知られているが、彼の墓所は大きい。そこに立っている石灯篭には、沢瀉のデザインが付されていた。そのあたり彼が長州閥であることをそれとなく知らせてくれる。

さらに今回の長谷寺参りで、TBCのH君が大発見をしてくれた。墓所の入り口近くに、江角家の墓を発見したのだ。建立者のところには平野真紀子の名前がある、間違いない。そして、江角家の家紋は丸に横木瓜であることも確認。
この横木瓜は、樋口一葉、平塚雷鳥、岡田嘉子、広末涼子など、何故か女性有名人が目立つ。そこに江角マキコも名前を連ねるわけである。

都内の墓所はどこもしっとりしていていい雰囲気だ。表通りの喧騒とグローバル化に比較すると、その寺々の静寂はなんとも心を落ち着かせてくれる。いい休日だった。

まさむね

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