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「うさぎドロップ」 アニメ版VS映画版の勝敗の行方

9 8 月 2011 No Comment

現在、僕がリアルタイムで追っているアニメは、『輪るピングドラム』と『うさぎドロップ』(左画像)である。『輪るピングドラム』のほうは、一人の少女がペンギンの帽子を被ると、突然、画面が切り替わりテンションが上がる、その落差に惹かれる。
これぞ、アニメ独自の表現とでも言うべきか、『生存戦略~!』というのは僕の中での隠れた流行語になってしまっている。

話はまだ中途なので、全部観終わった時点で感想を書いてみたいと思う。

一方、『うさぎドロップ』のほうは、地に足が着いているとでも言おうか、『輪るピングドラム』のような破廉恥な演出もなく、淡々と有り得そうな展開が進む。正直言って、実写のほうが似合っているストーリーとも言えるかもしれない。ただ、このアニメが放映されている『ノイタミナ枠』は、萌えアニメと一線を画するアニメを放送している枠で、前々クールでは、『フラクタル』を、また、前クールでは、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を放送しており、よくも悪くもアニメという概念に対する挑戦(少なくとも意識)はしている枠として認知されている。

そういう文脈で見れば、今回の『うさぎドロップ』は、同時期に上映される映画版とのライバル関係にある、ある意味、実写への挑戦という意味があるのではないかというのが僕の見立てである。つまり、いかにアニメ表現が、実写の得意フィールドであるファミリードラマというお題を与えられた「試合」で肉薄し、そして勝ることが出来るのか、そういったテーマをこのアニメは担っているのではないかということである。その意味で僕はこのアニメに期待しているのだ。

ちなみに、若干ビジネス的な視点から言えば、アニメ版の制作委員会には電通が名前を連ねているのに対して、映画版はショーゲートという博報堂系の配給会社による配給だ。その意味で、この作品のアニメ版VS映画版を企業の代理戦争として、横目で見るという楽しみが無いわけではない。

まぁ、映画版は8月20日封切りのため、現在は予告編しか観られないのであるが、それを観た限りでは、僕は映画版の方に肩入れしたい気がしている。

以下は、本当に、僕の超個人的な贔屓感覚なので、他の方には、あまり参考にならないかもしれないのをご了解下さい。
導入部分の解説をWikiより引用する。

祖父の訃報で訪れた祖父の家で、30歳の独身男、河地大吉(ダイキチ)は一人の少女と出会う。
その少女、鹿賀りんは祖父の隠し子であった。望まれぬ子であったりんを施設に入れようと言う親族の意見に反発したダイキチは、りんを自分が引き取り育てると言った。こうして、不器用な男としっかり者の少女との共同生活が始まる。

そして、その祖父の葬式で、親族は、順々に菊の花を棺に入れていく。しかし、りんは、祖父が好きだったということで、庭に咲いていた竜胆の花を採ってきて棺に入れる。何故ならば、祖父は、竜胆の花が大好きだったからである。実は、りんという名前も、その竜胆から取られたのだ。それゆえに、竜胆という花は、祖父と彼女とを結ぶ特別の花だったのである。
さらに、彼女は主人公の大吉(ダイキチ)に引き取られ、小学校に上がるとき、通名として河地姓を名乗らないか、と薦められるのであるが、祖父との繋がりを大事にして鹿賀という名字を自ら選ぶという経緯も出てくるのである。

それでは、何故、祖父は竜胆という花が好きだったのだろうか。そのヒントが映画版の予告編にはチラっと出てくるのだ。
実は、祖父の葬式の時の提灯には、ちゃんと笹竜胆紋があるのである。
それゆえに、僕は映画版に肩入れしたいのだ。
決して、常々電通よりも博報堂のほうに好感が持ているというだけの理由、あるいは、ただ松山ケンイチファンということだけの理由でもないのである。

一方で残念なことにアニメ版では、提灯の描写はなく、おばさんの紋付には、紋らしき白丸は描かれているのだが、それはただの白丸にしか見えないのである。
しかし、勝負は決まったわけではない。
アニメ版の第一話は、サブタイトルが「りんどうの女の子」なっているように、竜胆という花がかなり重要視されて出てくるのであるが、映画版においてはまだ、りんが祖父の棺に竜胆を手向ける場面を確認したわけではないからである。笹竜胆の提灯が(あくまで家紋主義的に)意義を持つためには、そのシーンがきちんと描かれていることが必須なのである。

おそらく、映像コンテンツの価値というのは、そういったディテイルをいかに予算&時間内で、丁寧に描き出すのかにかかっていると僕は思っている。
勿論、提灯の家紋に意味を見出すという視線で『うさぎドロップ』を観ている視聴者はけっして多くはないかもしれない。しかし、そういった所で、映像の評価をする人もいるのだということを一言記しておきたくて、このエントリーを描いた次第である。

まさむね

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