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Articles in the ビートルズ Category

ビートルズ, 映画 »

[15 7 月 2010 | 4 Comments | | ]

この冬に封切りされる映画『ノルウェイの森』の主題歌にビートルズの「ノルウェイの森」の原盤が使用することに決まったという。
それ自体は、大変、嬉しいことである。ビートルズの楽曲がまたより多くの人の耳に触れるからだ。
しかも、僕が70年代後半に自由が丘の場末の映画館でみた「全共闘ポルノ」で「レットイットビー」が流れていたのとは違う。
ちゃんと権利をクリアしたということなのである。
僕は以前より、村上春樹の【ノルウェイの森】とビートルズの「ノルウェイの森」との間には、共通の世界観があると感じていた(「村上春樹とビートルズの「ノルウェイの森」における共通点」参照のこと)が、これに映画『ノルウェイの森』も加わったと考えていいのだろう。ますます楽しみだ...
しかし、ここですんなり喜べないのが僕の性格の悪いところ。
この記事(「交渉1年超、映画『ノルウェイの森』主題歌にビートルズ「ノルウェーの森」」)に微妙に違和感を感じてしまったのである。そこを少し指摘しておきたい。
まず、下記の部分。
しかし、1年以上にわたる交渉が実を結んだ小川真司プロデューサーは、「原作では冒頭でビートルズの曲が流れ、主人公のワタナベはそれまでの出来事のすべてを振り返り、時の流れを思い起こします。映画で生のビートルズのメロディを聴くと、原作の大人になったワタナベのかき乱されるような感情を実感できると思います」と確かな手応えを得ている。
えっ!?、小説の冒頭の「ノルウェイの森」は、ビートルズの原盤ではないんじゃないだろうか。
その部分を引用してみよう。
飛行機が着地を完了すると禁煙のサインが消え、天井のスピーカーから小さな音でBGMが流れ始めた。それはどこかのオーケストラが甘く演奏するビートルズの「ノルウェイの森」だった。そしてそのメロディーはいつものように僕を混乱させた。いや、いつもとは比べものにならないくらい激しく僕を混乱させ揺り動かした。
しかも、冒頭だけではない。実は、この小説に出てくる「ノルウェイの森」は、ここ以外は(多分)、レイコさんが弾くギターの「ノルウェイの森」なのであり、ビートルズのレコードの楽曲は使われていないのだ。
しかし、記事はこう続けられる。
原作を知る者なら、「原盤を起用するのは必然的なことでした」というトラン・アン・ユン監督の言葉にも納得するに違いない。
僕はビートルズの楽曲が使われることが嬉しいというのとは、別次元で一抹の不安も感じたのであった。
残念ながら「原作を知る者なら、原盤を起用するのは必然的ではないこと」を知っているからである。
まぁ、僕の「イジワル心」を作品全体のすばらしさが吹き飛ばしてくれることを望むばかり、封切りが楽しみだ。
まさむね

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[16 2 月 2010 | 2 Comments | | ]

少し前の話だが、あのジョンレノンミュージアムが閉鎖されるというニュースがあった。
3万人の入場者で、年間1億円の赤字というのは、やはり地代がたかかったからなのだろうか。一日100人、1時間10人か...
正直、残念だ。僕はビートルズファンを自認していながら、恥ずかしながら一度しか足を運んだことがなかった。
勿論、すばらしい場所だ。何よりも、そこに行くとビートルズファン、そしてジョンレノンファンが必ず居る場所がさいたまに存在しているというのが嬉しかった。
いつでも行けるというのが逆に、足を運ばなかった理由だといったら少し言い訳に過ぎるだろうか。
しかし、敢えて、難を言わせていただくと、あの場所には「聖人・ジョンレノン」はいたが、「ビートルズはなかった」というのが僕の見方だ。
あのミュージアムの根本的な物語は、「両親から捨てられて不良少年だったジョンが、ビートルズで成功して世界のアイドルになったが、心が満たされず、ヨーコと知り合うことによって本当の自分に出会い、世界への愛に目覚めた」だったように思うのだ。
勿論、ヨーコ自身の芸術家としてのセンスとかには僕も感心するところ大である。例えば、あのミュージアムに存在する「いつヨーコからかかってくるのかわからない電話」とか、「双方とも白で勝負の着かないチェス」とか、「すべて半分しかない机と椅子」とか、そしてかの有名な、「上がっていくと天井に『yes』と書いてある階段」など、僕も大好きだ。
それに、毎年、12月になるとコンサートのパブリシティに訪れるヨーコをテレビで見るのは楽しみである。今年も、金スマとかスマスマなどの番組はいつもは見ないのだが、ヨーコがでるというだけでチャンネルを合わせてしまった。
しかし、一方で、ヨーコには決してわからなかったビートルズの音楽もあったのではないかというのが僕の勘だ。しかし、ファンにとってみれば、その部分がもっともジョンレノンらしい部分でもあったのでもある。
いずれにしても、四捨五入するとジョンレノンミュージアムの閉館は本当に残念である。
それだけは真実だ。
まさむね

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[1 2 月 2010 | 6 Comments | | ]

今月は一日遅れてしまったがビートルズのカヴァー曲ベスト10というのをやってみたいと思う。
1位 BAD BOY
2位 のっぽのサリー
3位 ベートーベンをぶっ飛ばせ
4位 ACT NATURALLY
5位 TWIST AND SHOUT
6位 SLOW DOWN
7位 DEVIL IN HER HEART
8位 TILL THERE WAS YOU
9位 MATCHBOX
10位 みんないい娘
1位~4位は、4人のメンバーのそれぞれの曲を選んだ。ジョンの曲だったら、5位の「TWIST AND SHOUT」の方がいろんな意味で有名だが、僕は、この「BAD BOY」こそ、ジョンの悪餓鬼としての本質を表しているような気がして好きだ。
あの邪悪な声は後の「IMAGINE」からは想像もつかない。でも、あの邪悪さがあるから、「IMAGINE」が光るのだ。
元不良の学校教師とか弁護士とか、日本では何故かウケるが、それは、「古事記」のスサノウ以来のヤンキーの伝統なのだろうか。ジョンが日本で根強い人気があるのは、そういったヤンキー>偉人というパターンにはまっているからというのが僕の説だ。(「ビートルズメンバーの人気投票が大体、4:3:2:1なこと」参照)
2位の「のっぽのサリー」は、実はポールの歌唱で最も好きな曲だ。彼はボーカリストとしても天才だ。それにしても最近、「のっぽ」って言わないよね。これって差別用語なのだろうか?
3位の「Roll Over Beethoven」はジョージの舌の転がし方が好きだ。この曲をカラオケで歌うこともあるんだけど、一番気になるのがこの転がし方だ。
リンゴを表現するのに、一番なのはやっぱり4位の「ACT NATURALLY」だ。当初、「YESTERDAY」をB面に押しやってのA面だったというのが今では笑える話、それもまたリンゴっぽいエピソードの一つだ。勿論、リンゴを表現すのに云々というのは、彼がビートルズで一番、役者として上手いし、自然だからだ。「ヤーヤーヤー」も「HELP」も彼が実質的に主人公だからね。こういったメンバー間のバランス感覚がビートルズのいいところの一つだ。
5位は、ジョンが裸で歌ったとされる名曲。後に、中山康樹さんだったと思うけど、風邪ひいてたのに、裸はないだろうとか、裸にギターのストラップというのは気持ち悪いだろうとかもっともな指摘をされていたが、伝説は伝説。僕は伝説を信じたい。
6位の「SLOW DOWN」あたりのジョンの声は最高だよね。やっぱり彼は平和の使徒じゃなくてロックンローラーだ、ってさっきも似たようなこと書いた。
7位の「DEVIL IN HER HEART」。ウブなジョージが兄貴分とジョンとポールにからかわれるという楽しい歌。
She’s got the devil in her heart
彼女の心の中には悪魔がいるんだぜ
No, no, this I can’t believe
ちがわい、ちがわい、そんなことないもん
She’s gonna tear your heart apart
きっとお前の心をズタズタにしちゃうぜ
No, no nay will she deceive
ちがわい、ちがわい、彼女はそんな娘じゃないよ
この頃のジョージって、誰のプロデュースか知らないけど、そういう役回りだったんだろうね。
8位の「TILL THERE WAS YOU」は、ベタでいい曲。実は、この曲、ずっとポールのオリジナルだと思っていた。でもカヴァーだったのね。たぶん、ジョンはそれほど好きじゃなかったんだろうなこういう曲は。
9位はリンゴの「MATCHBOX」、特にコメントはありません。
そして、最後10位はジョージの「みんないい娘」。僕の中では「ベートーベンをぶっ飛ばせ」の延長みたいな曲。一度、終わったかと思ったら、オマケの一小節が嬉しい曲。歌詞的には、微妙にかわいいジョージの傲慢さがいい。
というわけです。
まさむね

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[15 1 月 2010 | 6 Comments | | ]

血液型を気にするのは日本人だけである。
カナダに居た頃、同僚に血液型は何かと聞いたら、「お前は俺に輸血してくれるのか?」とマジで言われた。
日本で何故、血液型が占いとしてもてはやされるのか、ちゃんと考えたことが無いが、一説によるとその型比率の絶妙さがあるらしい。
A型 40%
O型 30%
B型 20%
AB型 10%
だいたいこんなものという。
今Yahooでビートルズのメンバー人気投票というのをやっている。
その人気の割合を見て、だいたい血液型の比率と似ているのに気づいた。
こんなところに、ビートルズメンバーのバランスのよさがあったのかも、と思った。
(左図はクリックで拡大可。)
全く、科学的根拠の無い話ではあった。
まさむね

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[31 12 月 2009 | 17 Comments | | ]

今年最後のビートルズベスト10はリンゴのドラムスのベスト10にする。
実は、僕は高校時代にビートルズのコピーのバンドをしていて、ドラムスの担当だったのだ。
お世辞にも上手とは言えないが、今でも「Please Please Me」「She Loves Me」「Can’t Buy Me Love」等の曲が流れると、自然に体が動きそうになる。中山康樹氏もリンゴのドラムスが無いとビートルズの音楽は成立しないというようなことを言われていたが、確かにそうだ。どこが上手いのか、何がいいのか上手く言葉に言い表せなくて困るのだが、やっぱりいいものはいい。そこには、リンゴの味があるのだ。
一番、わかりやすいのは、「The Beatles」で、ポールがドラムを演奏する「Back In The U.S.S.R」「Dear Prudence」が終わり、いきなり、「Glass Onion」でリンゴのドラムスから入るあの瞬間。あの瞬間、全てのファンは、ビートルズサウンドにリンゴがいかに必要かということを思い知らされるのだ。(勿論、「Back In The U.S.S.R」「Dear Prudence」でのポールのドラムスもいいんだよ、念のため。)
さて、べスト10に入ろう。
1.Rain
2.Strawberry Bields Forever
3.Good Morning Good Morning
4.A day In the Life
5.She Loves You
6.Please Please Me
7.Get Back
8.Glass Onion
9.She Said She Said
10.The End
僕はこのベスト10シリーズを選ぶ時、なるべく考えないで選ぶようにしている。あまり、考えすぎて作為的になると、真実と離れそうになってしまうからだ。
だから、前回のドラッグソングベスト10に「Day Tripper」をはずしてしまうようなポカをやってしまうのだ。
1位の「Rain」は、強く叩きつけるような雨を効果的に表現している。例えば森高千里の「雨」と比べると、日本人が感じる雨とイギリス人のRainの違いが感覚的にわかる。たしか、この曲でJohnは、雨が降ったとしても、自分は変わらない的な内容を歌っていた。この「Rain」での発想は、のちの「Across The Universe」の「Nothing’s gonna change my world」のはるか前の伏線のようなものなのである。
2位の「Strawberry Bields Forever」もJohnの曲だ。この曲をJohnのベスト、あるいはビートルズのベストに上げる人も多い、名曲中の名曲だ。ただ、発売当時は、No.1になれなかったといういわく付きの曲でもある。ここでのリンゴのドラムスは目立ちすぎずしかし、タイトにこの曲を盛り上げる。最高のパフォーマンスである。
3位の「Good Morning Good Morning」は、よくもまぁ、これだけ複雑なジョン特有のリズムについていったなという感じの完璧なスティックさばきである。
4位の「A day In the Life」は、僕としては、ビートルズの中でのベストソング、だからということでもないが、リンゴのドラム、いわゆるフィルインの瞬間の凄みは出色だ。
5位の「She Loves You」は、ドラムだけの超短い前奏というアイディアの勝利。
6位の「Please Please Me」は「カモン♪、カモン♪、カモン♪、カモン♪」のところのドラムスが好き。個人的に青春の一こまを思い出す。
7位の「Get Back」は、シンプルなんだけど、この曲にぴったりの演奏、さすがリンゴだ。遠くからやってきて、遠くに去るみたいな感じが凄くよく表現されている。ルーフトップコンサート時の長髪を邪魔そうにして演奏するリンゴは忘れられない。
8位は先ほども少しだした「Glass Onion」。ポールのゴリゴリのベースとともに、ジョンの不気味な内面を側面から表現。「She Loves You」と並んで、リンゴだけの前奏のベスト2だ。
9位の「She Said She Said」は、とにかく聴いていて気持ちのいいドラムス。
10位の「The End」は、ドラムソロ嫌いのリンゴがポールの説得によって、「よしっ」という感じで行った最初で最後のソロ。シンプルなところが凄い。普通、ドラムソロとかをまかされると速叩きとか、しちゃいそうだが、そこは抑制の効いたタイトさはリンゴの個性だ。当然のようにランクインさせていただいた。
以上がリンゴのドラムスベスト10だ。本当は、全ての曲を入れたかったんだけど、とりあえず10曲を選んでみた。
最後に、もう一度、中山氏の言葉を、「これがビートルズだ」のP188から、より正確に引用したい。
リンゴのサウンドがあってはじめて”ビートルズになる” ...
まさむね

ビートルズ, 一本気メモメモ »

[23 12 月 2009 | 4 Comments | | ]

ビートルズはどこがいいのか。
それは人によって違うだろう。ある人は、メロディだと言うだろうし、別の人はリズムだというだろう、あるいはインパクトという人もいるかもしれない。おそらく、このレンジの広さがビートルズの幅広い人気の原因だととりあえずは言えると思う。
最近、音楽と体調ということを考えていてこんなページをみつけた。
「ビートルズで胃腸スッキリ」だ。
このページの著者、松生恒夫先生は、ここで、スローテンポの曲が胃腸にいいと断言されている。デパートやホテルのトイレにはスローテンポの音楽が流れていて、それが排便をスムーズにさせることがあるのがその証拠だという。
これを証拠というにはかなり曖昧なような気もするが...まぁいいか。
さらに、このように語る。
スローテンポの音楽の中でもおすすめなのは、ビートルズの曲です。もちろん、すべての曲ではありませんが、ビートルズの曲には次のような特徴があり、心拍数を下げて心身をリラックスさせる効果が大きいのです。
(1)メロディが親しみやすく美しい
(2)アコースティック楽器中心のシンプルなサウンドで、不協和音が少ない
(3)歌詞が英語なので意味を考えなくてすむ(言葉の意味を考えてしまうとリラックスできない)
(4)ハーモニーが美しい
もし、この4つが胃腸にいいのであれば、僕ならばむしろ、PPMやサイモン&ガーファンクルをお勧めしたい。
それは別に他意があって言っているわけではない。僕にとってのビートルズの魅力はメロディの美しさよりも、不協和音的な悪意=いたずら心にある。だから、どうしても上記のような点をあげてビートルズの特徴といわれてしまうと違和感が残るのであるが...まぁいいか。
もっとも、僕は毎日2時間づつ位、通勤時間と就寝前にビートルズを聴いているが、おかげさまで、胃腸は比較的健康だ。
そういう意味で言えば、松生先生の説もまんざら間違っていないのかもしれない。ちなみに、この松生先生、『ビートルズでおなかスッキリ―胃腸のはたらきを改善する音楽療法 (大型本) 』という本まで出されていた。この道の権威なのである。
さて、この松生先生のビートルズが胃腸にいいという話にさらに興味を持ち、別のサイトも見ていると、こんなサイトがあった。
「ビートルズで胃腸スッキリ」だ。
全く同じ題名で、こちらは「けんこうじだい」という「化健康と医療の総合サイト」の一コーナーにあった。
しかし、このページ、よくみるとなんか変なのだ。
間のスローテンポの音楽は、ビートルズの曲を推奨します。もちろん、すべての曲は、ビートルズの曲には、以下の機狽Aより低い心拍数とリラックスの身体と心には大きな効果です。
  (第1 )は、フレンドリーと美しいメロディーを
  (第2 )を中心とシンプルなアコースティックサウンド、少ない不協和音
  (第3 )の歌詞の意味を英語でので、配当を考える(言葉の意味を、リラックスしたかどうか検討する)
  (第4 )は美しいハーモニー
この文章、松生先生のページを一度、外国語に自動翻訳して、それをさらに日本語に自動翻訳し直したのではないだろうか。そんな感じの文章なのである。しかも、文章の最後に監督として渡辺先生とあるのだが、それが誰なのかは不明だ。おそらく、ここで医療用の物品の通販ページへのリンクをするためだけのサイトなのではないだろうか。
最後、どうでもいい結論ではあるが、いろんなサイトがあるものである...が...まぁいいか。
まさむね

ビートルズ »

[14 12 月 2009 | 4 Comments | | ]

今さら、僕が言うのもなんなのだが、ビートルズというグループほど、斬新なグループはない。
その存在は、全世界が熱を帯びた青春時代とも言うべき1960年代をトップランナーとして突っ走った。
今年9月に発売されたリマスターCDの爆発的ヒットを見るまでもなく、いまだにその光は世界中を包み込んでいる。とにかく凄いバンドなのである。
そんなビートルズの中で、リーダー的存在のジョン・レノン、そして、メロディメーカーとして天才の名をほしいままにしたポール・マッカートニーの陰に隠れて今ひとつ地味な印象だったのが、最年少のリードギタリスト、ジョージ・ハリソンだ。
しかし、今、冷静に振り返ってみると、ジョージ・ハリソンこそ、最も斬新な存在だったのではないかというが本エントリーでの仮説だ。そして、暴論を覚悟で、むしろジョンとポールこそが、ジョージのフォロアーだったのではないかという話をここでしてみたいのである。
まずは、ファッションの話。ビートルズのファッションと言えば、マッシュルームカットである。この髪型に関して言えば、彼らがメジャーデビュー以前のハンブルグでアスリット・キルヒヘアという女性カメラマンから教わったということになっている。
そして、その髪型を最初に試したのが、ジョンでもポールでもなく、ジョージだったのである。勿論、アスリットの恋人だったスチュワート・サトクリフがマッシュルームカットの第一号ということにはなっているのだが、僕は今までスチュワートのマッシュルームカットの写真というのを見たことがない。確かに、脱リーゼントの髪型は確認できるのだが、これってマッシュルームというにはカッコよすぎる。
そういう意味で、あのちょっぴりダサいマッシュルーム髪型を完成させたのはジョージではないかというのは僕の勘なのである。そして、それをポールとジョンが順々に真似たのではないか。
もしも、ビートルズがマッシュルームカットを採用せず、リーゼントのままだったとしたら...もしかしたら、その後の彼らは無かったかもしれない。イギリスの中流階級の子女達にとって、リーゼントは拒絶すべき不良の髪型だったからだ。そういう意味で、ジョージのちょっとしたセンスは歴史を変えた...かもしれないのだ。
ちなみに、その後も、ビートルズにおいて、ファッションを最も気にしていたのもジョージだった。
ここでは、最初にジョージ・マーチンに会ったその瞬間のあまりにも有名な会話を紹介しておこう。
マーチン・・・僕のことで、何か気に入らないことがあるか?
ハリソン・・・あなたの、そのネクタイが気に入らないね
さて、次にジョージの存在感を示すエピソードは、ビートルズの音楽に対する彼の斬新性である。
ビートルズの後期、特にジョン・レノンの音楽のリズムの変容は彼らの音楽の特徴の一つだ。
「Yer Blues」「Happiness Is A Warm Gun」「All You Need is Love」「Being For The Benefit Of Mr. Kite」「Lucy In The Sky With Diamonds」「Don’t Let Me Down」「Everybody’s Got Something To Hide Except Me And My Monkey」「I Want You」…
ざっとあげただけでも、一曲の中に複数のリズム、特にワルツが紛れ込んでいる曲はあまりにも多い。
そして、これら、後期ビートルズのポリリズムのアイディアの端緒こそ、ジョージのアイディアだったのである。
それが「恋を抱きしめよう」 (”We Can Work It Out”)でのワルツ挿入だ。
この曲は、ある意味、ビートルズの面々の個性が最も見事に融合した曲として知られている。
メロディアスで楽天的なポールが作るAメロ。
We can work it out, we can work it out
僕らならきっとうまく行く うまく行くさ
抽象的で、悲観的なジョンが作ったサビ。
Life is very short and there’s no time
人生はひどく短い 時間が無いんだ
そして、この曲にどうオチを着けるのか、メンバーは悩んだと言う。
そこで出てきたのが、ジョージによる必殺”ワルツ落し”だったのである。
さらに、ジョージはリズムだけではない。歌詞の面でも先駆的なのだ。
これは、ジョージの隠れた名詞「Within You Without You」の一節だ。
Try to realize it’s all within yourself
No-one else can make you change
すべては己れの内にあることを認識せよ
誰も他人を変えることはできない
そして、ジョンの代表的名曲「Across the Universe」のこの一節も見て欲しい。
Nothing’s gonna change my world
何ものも僕の世界を変えることはできない
もとはと言えば、確かに東洋哲学からと言ってしまえばそうなのだが、インドへの接近を最初に試みたのは勿論、ジョージだ。そして、その哲学をビートルズに流し込み、その後のジョンの哲学に多大な影響を与えたのもジョージだと言えなくは無い。
さらに言えば、哲学的な側面だけではなく、政治的な言葉をビートルズに導入した先駆的存在もジョージなのである。
I’ve got a word or two
To say about the things that you do
You’re telling all …

ビートルズ »

[30 11 月 2009 | 5 Comments | | ]

ちょっと前の話ではあるが、酒井法子が逮捕され、彼女のCDがショップから回収されたちょうど同じタイミングでビートルズのリマスターCDが入荷されるというニュースがあった。
それなりにビートルズ好きを自認する僕らとしては、微妙に複雑な心境だ。
酒井法子が覚せい剤で逮捕されるのはしかたがないとしても、一方、ビートルズの面々だって、ドラッグ関係には多々関わりがあったことは周知の事実だからである。
例えば、ジョンは大麻不法所持でアメリカへの入国を拒絶され、裁判沙汰になっているし、もっと有名な話では、ポールは日本公演の際に所持していたマリファナが原因で、成田の留置所に拘束されているのである。
そういえば、当時「せっかくやってきたのに、何もしないで帰ること」を「ウイングる」と言ったっけ。ちなみに、「もう帰ったかと思ったら、まだ居ること」を、「マイケる」と言ったこともあったなぁ。まぁ、わかる人はわかる話だが...
それはともかく、ビートルズあるいはロックと、ドラッグというのは切っても切り離せないというのが僕らの世代の感覚だ。酒井法子事件とビートルズの二つを並べてみた時に感じる複雑な心境とはそこから来ている話なのである。そこで、毎月末、恒例の僕のビートルズベスト10は、ドラッグ関連(と思われる、あるいは、と勘違いされた)楽曲ベスト10にしたいと思う。
1.A DAY IN THE LIFE
2.HAPPINESS IS A WARM GUN
3.LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS
4.WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS
5.COME TOGETHER
6.GOOD DAY SUNSHINE
7.DOCTOR ROBERT
8.GOT TO GET YOU INTO MY LIFE
9.GIRL
10.ノルウェイの森
1位の「A DAY IN THE LIFE」は”I’d love to turn you on”(君を目覚めさせてあげたい)という部分がドラッグの勧めとして解釈され、BBSで放送禁止になったのは有名な話だ。
勿論、真実はわからないが、ポールが歌う中間部の、「バスに乗り込みすぐさま 煙草の吸える二階のほうへ そこでやっと落ち着きいつしか また僕は夢の世界へ」というところもドラッグで”アチラ”に行っちゃった感があるし、一番の歌詞の、車の中で意識を飛ばした上院議員の話も同様の感じである。
2位の「HAPPINESS IS A WARM GUN」は偶然だが、2ヶ月連続の2位へのランクイン。
前回はワルツ部門だった。
この曲で歌われている「GUN」というのはトリプルミーニングである。
一つ目は、勿論、銃。二つ目は、おちんちん。
そして三つ目がヘロインの針というのが僕の解釈だ。

I need a fix ’cause I’m going down
Down to the bits that I left uptown
I need a fix ’cause I’m going down
刺激が欲しい 落ち込みそうなんだ
俺はアップタウンに棄ててきた例のやつを求める
刺激が欲しい 落ち込みそうなんだ

この「fix」というのはヘロインを調合するという意味だ。
「I’M SO TIRED」の以下の部分も、「朝起きて、自分自身の飲み物を作る」というのは表向きの意味だと思われる。

I wonder should I get up and fix myself a drink
起きあがって飲み物でもつくろうか

勿論、「SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」の「FIX A HOLE」もそういった文脈でドラッグソングと言われたのである。
3位の「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」が「L.S.D」の略だとい言われたのはあまりにも有名な話。ただ、メンバーは誰一人その見解を肯定していない。偶然の線も強く残っている。しかし、歌詞の内容は、幻覚の世界そのもの。タイトルの、”DIAMONDS”が複数形になっているところに僕は注目したい。この歌詞では、その他に、”marmalade skies”、”cellophane flowers”、”marshmallow …

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[1 11 月 2009 | 2 Comments | | ]

正直、ここで告白しなければならない。
実は、ここ数日、通勤時間のBGMはビートルズではなく、w-inds.だった。
ビートルズに関して言えば、9月9日にリマスター版が発売されて、自分自身もその「お祭り」に向けて、通常よりもかなり入れ込んでしまった反動か、10月の中旬以降、心の隙間が出来てしまい、ビートルズから離れてしまっていたのは事実であった。
w-inds.は音楽的に言えば、ビートルズからの直接的な影響はそれほど見られない。
メンバーの緒方龍一が、札幌のキャバーン倶楽部のマスターをする程のビートルズマニアである父親の影響か、ビートルズファンを自認しているが、彼等が作り出す音楽は、むしろ80年代のダンスチューンの流れの延長にあると思う。
しかし、彼等の音楽の中にも、例えば、「Rain is fallin’」の突然の転調や、「Love is the greatest thing」のこもった音からのフェードインなどの実験的な精神にビートルズの影響があるのでは?と、僕は個人的に思っている。
さて、w-inds.はともかく、毎月末のビートルズベスト10だ。
今月は、「ワルツ」特集にしよう。
一曲まるまるワルツではなくても、部分的ワルツという、いわゆる「変な曲」というのもビートルズのお家芸である。
厳密に言えば、三拍子ではなく、6/8拍子とかなのかもしれないが、素人なのでそのあたりは許してね。
さて、特に後期のジョン・レノンは意識的にリズムを「いじった」。
これは有名なエピソードであるが、1968年2月、ジョンは「Hey Bulldog」のレコーディングの際に、ヨーコがスタジオに遊びに来ていて、彼女の前でストレートなリズムのこの曲を演奏するのが気まずかったという回想をしている。
つまり、後期のジョンの楽曲に目立つ変則リズムはヨーコからの視線を意識しての前衛的な意匠だったとも言えるのではないだろうか。
話が逸れてしまったが、以下が、ビートルズのワルツベスト10である。
1.ノルウェイの森
2.Happiness Is A Warm Gun
3.悲しみをぶっ飛ばせ
4.I Me Mine
5.Lucy in the Sky with Diamonds
6.Baby’s in Black
7.She is Leaving Home
8.Being For The Benefit of Mr Kite
9.I Want You
10.Good Night
1位の「ノルウェイの森」は僕的には文句なくナンバーワンだ。村上春樹の同名小説の来年の映画化も楽しみだ。
2位の「Happiness Is A Warm Gun」は、以下の部分がワルツだ。
I need a fix ’cause I’m going down
Down to the bits that I left uptown
I need a fix cause I’m going down
Mother Superior jumped the gun
Mother Superior jumped the gun
しかし、その次のフェーズで突然また四拍子に戻る。ジョンレノンの転調ロックの頂点というべき名曲だ。
しかし、中山康樹氏は「これはビートルズ」でこう語る。
いまでは曲のタイトルさえ笑いを誘う。それはジョークが効いていることによる”笑い”ではなく、あまりのバカらしさゆえにだ。かつてはそうではなかったが、これぞ風化がもたらした残酷な現実だ。だが最大の原因は曲の弱さにある。もともと異なる三曲をつないで一曲にしたらしいが、背景はどうあれ、今日の耳にはあまりに稚拙に響く。
この人は一体、何を言っているのだろうか。
さて、3位の「悲しみをぶっ飛ばせ」はビートルズが始めて外注のミュージシャン(フルート奏者)を使った曲として歴史に残っている。映画の中でのシーンも印象深い。
映画といえば、4位の「I Me Mine」の「Let It Be」でのシーンも有名だ。ジョンとヨーコがこの曲で踊るのだ。ただ、作者のジョージにとっては複雑な想いがあったかもしれない。演奏にはジョンは参加していないからだ。
5位の「Lucy in the Sky with Diamonds」もAメロはワルツだ。
6位の「Baby’s in Black」は日本公演でも演奏。ポールが曲紹介の時に確かに「ワルツ」って言っていた。その時の演奏はともかく、絵的に「ヘフナーの座りが悪かった」印象だ。
7位は、ポールとしてはめずらしいワルツである。デコレイティブなハープ、アッパーミドルクラス(中の上流階級)の不自由というテーマにはワルツはお似合いか。
8位の「Being For The Benefit of Mr Kite」は、「SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」のアルバム上、偶然、7位の「She is Leaving …

ビートルズ »

[30 9 月 2009 | 6 Comments | | ]

今月のビートルズベスト10は、楽器演奏者としてのポール=マッカートニーのベストプレイを選んでみたいと思う。
言うまでも無く、ポールは天才である。それはジョンが天才だというのとはちょっと意味合いが違うが間違いなく彼も天才なのである。
おそらくジョンの天才性は、カリスマ性に近い。それは社会=他者とのかかわりで発揮されるものである。
しかし、ポールの天才性は、それこそ神から与えられた才能だ。比喩的に言えば、ポールはおそらく無人島に独りでいても、留置所に入っても天才なのだと思う。そして、そのポールの才能は楽器演奏時にもいかんなく発揮される。
他の人だったら、おそらく練習に練習を重ねてようやく弾けるようになるところをいとも簡単に演奏してしまうポールの姿が目に浮かんでくるようだ。
1.「Martha My Dear」でのピアノ
2.「Dear Prudence」でのドラムス
3.「Taxman」でのベース
4.「Black Bird」でのアコスティックギター
5.「While My Guitar Gently Weeps」でのベース
6.「Taxman」でのリードギター
7.「Old Brown Shoe」でのベース
8.「Something」でのベース
9.「Good Morning,Good Morning」でのリードギター
10.「Back In the U.S.S.R」でのドラムス
1位の「Martha My Dear」のピアノ。僕も高校の時に練習したけど、なかなか弾けるようにならなかった。このフレーズはバッハにも匹敵するのではないか。こんなフレーズをピアノの練習中に思いつくというポールの天才性が最も発揮されたプレイだと思う。
2位の「Dear Prudence」でのドラムスは、普段はある評論家が「リンゴもやろうと思えば、この曲のように叩けるのだから、いつもこのように叩いてほしい」などという大ボケ解説をしてしまった事でも有名。素晴らしいプレイである。
3位の「Taxman」のベースは、単純にフレーズが好き。
4位の「Black Bird」でのアコスティックギターは、70年代、日本のギター少年(高校生位)の休み時間のギターエチュードとして大流行した。ギタリストでもないポールが、そんな名フレーズ(難しすぎず、簡単すぎず)を生み出してしまったことに敬意を表する。
5位の「While My Guitar Gently Weeps」でのベースに関しては、リードギターとして参加したエリッククラプトンが、ビートルズにポール=マッカートニーありを認めた伝説のプレイ。
6位も「Taxman」。リードギターは、ジョージが上手く弾けなかったのを替わりにポールが弾き、ほぼ一発で決めたという。これは何風といういうのだろうか。ちょっとファズがかかっていて、カッコイイ。その後のポールのリードギターの一つの特徴となる。
7位の「Old Brown Shoe」でのベースはとにかく早弾きということでランクイン。
8位は「Something」でのベース。一部で弾きすぎとの批判もあるようだが、このメロディアスベースはポールならでは。何故かジョージの曲になるとベースプレイヤーとしてのポールが活躍するという法則があるが、その典型例。
9位の「Good Morning,Good Morning」でのリードギターは、「Taxman」「Hey Bulldog」「Got To Get You Into My Life」等にも通じるポール色の強いフレーズと音。ジョージのクリアなギターもいいけど、ポールのフレーズはやっぱりカッコイイ。
「Back In the U.S.S.R」でのドラムスを10位に入れたのは、リンゴも「いいドラムだ」と後褒めしたから。それにしても、自分のイスを取られた格好になったリンゴ、お人好しだ。でも、それだけ自信があったということ?それともポールとの信頼関係の深さ?
他にもポールのベースプレイとして印象に残るのは、「And Your Bird Can Sing」「I Am a Loser」「Lucy In The Sky With Diamond」「Lovely Rita」「With A Little Help From My Friend」かな?
まさむね